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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その7 

 個艦防御(続き)

 対水上武器
対象国沿岸を行動するに当たり、航空機や潜水艦に比べ驚異度が低いとは言え、警戒艦艇との遭遇も当然考慮しなければならない。
当初、対水上武器として現行のSSM-1Bシステムが候補に挙がったが、対地ハープーン(RGM-84-1D-EX)をキャニスター方式で艦中央部に搭載しているため、他の発射機を配置する余地はほぼない状況である。
このため、SSM-1Bのブースターを推力偏向としてVLSに収納する案や、新たに垂直発射方式のSSMを導入する案が検討された。
この選定に当たり、候補に挙がったのが対艦トマホーク(TASM)である。
▼続きを読む

偵察衛星を欠き、貧弱な航空哨戒能力しか持たない対象国にあっては、空からの常続的な探知は困難であろうと予測された。
一方で、入域時に水上艦艇による触接を受ければ、TMD対処中も常に自艦位置が暴露され続ける事になり、妨害ないし報復を受ける蓋然性が格段に高まる。
このため、対象国哨戒艦艇が付近海面に存在し、これとの遭遇が予測される時には被探知前に先制攻撃することで部隊防護に努める方針が検討された。
しかし、専守防衛の範疇で認められる先制攻撃はミサイル関連施設に対するものに限られ、水上艦艇に対しては反撃しか許されないという意見が大勢を占め、長距離巡航ミサイルの採用には慎重にならざるを得なかった。
また、垂直発射装置の容量も決して十分でなく、いたずらに搭載弾種を増せば他のVL弾を圧迫しかねない状況でもある。
このような情勢に加え、対地ハープーン及び通常弾頭型対地トマホーク(TLAM/C)については後日装備であることや、今後ESSM(RIM-162)の配備が見込めることもあってSSMについては段階的に導入することとした。
就役時にはSSM-1Bをキャニスター方式として装備し、対地ハープーンとESSMの配備を待ってTASMを導入する。
ESSMはクォッドパックとして短SAMのVLS割当てを25%に削減し、余剰セルにTASM及びTLAMを装弾する。(SSM用キャニスターには対地ハープーンを装備する)
TASMについては先制攻撃用ではなく、TMDの行使によって戦争状態に陥った状況下での敵勢力圏からの脱出を想定し、敵水上艦をアウトレンジして生存性を高めるための自衛装備という名目で導入が推進された。
ただし、超水平線攻撃には哨戒ヘリによる中間誘導を要する。

※)超水平線攻撃…自艦位置を暴露される前に攻撃するためには、レーダー水平線より遠方から目標を探知・測的しなければならない。当然、自艦の対水上レーダーでは探知できないので、ESMや哨戒ヘリを最大限活用するとともに偵察衛星情報やエリント、コミントの収集などの後方支援が不可欠である。

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[2015.02.05(Thu) 23:59] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その6 

 個艦防御(続き)

 対潜武器
従来の護衛艦はASW(対潜戦闘)に重きを置き、特に潜水艦の捜索探知から無力化に至る積極的な対潜掃討作戦に注力してきた。
ゆきなみ型については、これまで述べた通りTMDが第一義であり、求められるASW能力も自艦防護のみである。
装備は既存DDGに準ずるが、艦の機動を制限する曳航式ソーナー(TASS、VDS等)は搭載していない。
センサーは、こんごう型と同型のOQS-102バウソーナーに加え、曳航式ソーナーの不備を補完するためOQS-21フランクアレイソーナーの後日装備が考慮されている。
ただし、OQS -21は艦の規模に対して大型・大重量であるため、船体性能の低下を危惧して未装備に終わる可能性もある。
攻撃兵装としてVLSに垂直発射アスロック(VLA)を搭載し、艦橋直下両舷に短魚雷発射管を装備する。
VLAに予備弾はないものの、短魚雷については魚雷庫のHS用短魚雷が共用できる。
これらはイージス武器システムに連接のOYQ-102対潜情報処理装置により統制されており、さらにヘリコプター・データリンクが連接されている。
必要に応じてHSによる対潜オペレーションが追加される。
[2014.11.29(Sat) 23:59] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その5 

 個艦防御
ブースト・フェイズの弾道ミサイルを迎撃し、或いは策源地攻撃を行う場合、ゆきなみ型は対象国沿岸に入域する蓋然性が高い。
しかし、平時の大規模な艦隊派遣は現実的でなく、従って対象国勢力圏下で経空、水中及び水上の複合脅威に単艦で対処し得る能力が要求された。
また、装備の作動不良や機器故障などの危急の事態にあっても僚艦の支援が望めないことから、複数の代替手段を備えなければならない。

注)ゆきなみ型護衛艦のTMD任務は専守防衛の範疇で行われるが、弾道ミサイル関連施設への先制攻撃が専守防衛に含まれるとする法解釈が存在する以上、同艦は平時において対象国に対し戦闘力を行使する可能性を否定できない。ただし、対象国領空での弾道ミサイル撃墜ないし策源地攻撃は戦争行為以外のなにものでもなく、同艦は阻止或いは報復を企図する対象国軍によるあらゆる脅威を想定するべきである。

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 対空武器
最も危惧される経空脅威に対しては、本来であればイージス武器システムをフル活用しSM-2 SAMによって迎撃すべきであるが、弾道弾対処中はイージス武器システムが弾道ミサイルの追尾とSM-2ER BlockIV Aの射撃管制に全リソースを専従させてしまうため、AAW(対空戦闘)に割く余力がない。
このため、ゆきなみ型はイージス武器システムとは独立したCDSを備え、砲用を兼ねる方位盤FCS-2-31により短SAMを管制して最低限のASMD能力を保持している。
これはまた、万が一、イージス武器システムに故障や不具合が生じた場合に防御手段を喪失しないための処置でもある。
捜索センサーは、早期警戒ヘリと水上レーダーであり、OPS-28 水上レーダーはシースキマー(低空進攻SSM)に対して高い探知能力を有している。
ただし、FCSが1基しかないため、一度に対処できるのは1目標であり、極めて応急的な装備である。
また、限られた艦内容積と電力量の中で補助システムとして大型のCDSを装備する事は適当でなく、はやぶさ型ミサイル艇用に開発された小型CDS、OYQ-8Cに短SAMシステムを連接したOYQ-8Dを搭載している。
イージス武器システムがAAWに充当できる場合は同時多目標対処が可能とされるが、INSを持たないシースパロー RIM-7Pでは最大3目標しか対処できない。
将来的にESSM RIM-162が導入されれば、イージス武器システムの全能発揮が可能となる。
さらに、ESSMはMk.41 VLSのクァッドパック(1セルに4発搭載)に対応しているため、装弾数の増加も期待できる。

注)
CDS…戦闘指揮システム(Combat Direction System)。センサー(レーダー、ESM等)、火器管制装置、兵装(砲/発射機)を統制して攻撃を効率化する、戦術情報処理/意思決定支援装置の総称
ASMD…対艦ミサイル防御(Anti Surface Missile Defense)。上記のように物理的に破壊するハードキルと電子的に無能化するソフトキルがある。なお、「アズムド」と読む。
INS…慣性航法装置(Inertial Navigation System)。従来のセミアクティブレーダー誘導SAMは発射から命中まで射撃レーダーの常時照射を必要としたが、SM-2やESSM等はINSによってミサイルが自律制御で概略位置まで飛行するため、射撃レーダーの照射は命中直前のみで良くなった。従って、射撃レーダーがミサイルに拘束されなくなり、多数のSAMを同時に発射管制できる。

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[2014.10.26(Sun) 23:33] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その4 

 航空艤装
ゆきなみ型は対象国勢力圏下を単艦で作戦しなければならず、搭載航空機によるバックアップが必要不可欠となる。
要求される任務は多岐にわたり、早期警戒、対潜哨戒、水上捜索、対艦ミサイルの中間誘導、対地ミサイルの終末誘導、コマンド部隊の輸送及び近接航空支援等である。
これだけの要求を単機で満たすのは不可能なため、本艦には大中型ヘリ3機を搭載、運用する能力が付与され、長期作戦に耐えるだけの整備機材と予備品が確保されている。
前記任務の内、対潜哨戒、水上捜索、SSMの中間誘導及び人員輸送については既存の哨戒ヘリ(SH-60J)で達成し得るが、その他については新たな機種選定が必要となる。
早期警戒任務は、弾道ミサイル対処中に低下するSPY-1レーダーの対空監視能力を補完するもので、現時点で早期警戒能力を有する艦載ヘリはHSS-2系列機を改造したシーキング AEWのみである。
幸い、SH-60Jの配備により退役するHSS-2Bが多数あり、耐用年数に余裕があるものをAEWに改造する策が講じられた。
ただし、HSS-2Bの延命にも限度があるため、英伊が共同開発中のAW-101の早期警戒型EH-101AEWが代替機として検討されている。
対地ハープーンの終末誘導及びコマンド部隊への近接航空支援には広大な作戦半径と機動力が要求されるため、既存の回転翼機では充当し得る機体が存在しなかった。
そこで三菱重工とベル社の共同開発による偏向翼機が要求され、多目的偏向翼機MV-32Jとして結実した。
中型ヘリ程度の機体サイズで、固定翼機なみの搭載量、速力及び航続距離を誇り、垂直離着陸やホバリングを可能とした画期的な機体であり、TEL(輸送起立発射機)を捜索し、装備するレーザー照射機で対地ハープーンの終末誘導を行う。
また、コマンド部隊によるレーザー照射を行う場合には、各種ミサイル及び機銃をもって近接航空支援を実施する。
これらの機体を運用するため、ゆきなみ型の飛行甲板は他の護衛艦より僅かに広く、大型機の発着艦にも耐える甲板強度を有している。
着艦拘束装置は新型のRASTを備え、運搬軌条は2条である。
格納庫は汎用DDの配置を踏襲、拡大したもので、左舷に大型機1機、右舷に中型機2機を収容できる。
[2014.10.24(Fri) 19:56] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その3 

 策源地攻撃能力
前述のとおりミサイル防衛システムとは単一の装備で完遂するのではなく、複数の手段が互いに補完し合うことで阻止率を確保している。
従って、迎撃ミサイルに不安がある以上、TMDの確実性を増す手段として目標を地上撃破する事も考慮すべきである。
これは、先制攻撃を禁止する現行法にとって極めて難しい問題であるが、抑止力の観点から本艦には海洋発射巡航ミサイル(SLCM)による策源地攻撃能力が付与されている。
搭載するのは、通常弾頭型対地トマホーク(TLAM/C)及び射程延伸型対地ハープーン(RGM-84-1D-EX)である。
中距離弾道ミサイルの主流とされるTEL(輸送起立発射機)は、移動式で事前の捕捉が困難でありトマホークでは対処できないとされるが、実戦状態のTELは対象国には僅かしかない上、ゆきなみ型の当面の目標はミサイル発射実験に対する抑止であって発射試験場を破壊する能力があれば良い。
ただし、将来的にTELに対処する能力は当然要求されるべきで、これを担うのが日本版SLAMこと、RGM-84-1D-EXと考えられる。
これは終末誘導をセミアクティブ・レーザー誘導、又は赤外線画像誘導の複合型として移動目標への攻撃に特化させたもので、通常の対地攻撃以外にヘリ又は地上部隊によるレーザー照射によって隠蔽されたTELをも破壊しようとするものである。
多目的偏向翼機MV-32Jは主としてこの目標指示任務に充当される。
初弾の弾道ミサイル発射を許したとしても、早期警戒衛星が発射炎を探知すればTELの潜伏位置は暴露され、母艦からの誘導管制によってMV-32Jがレーザーを照射、対地ハープーンがこれを撃破する。
2撃目以降の弾道ミサイル発射を阻害することで迎撃ミサイルの負担を軽減せんとするものである。
ただし、対地ハープーンの実用化は2001年初頭の予定であり、SLCM導入に対する野党や国民の理解不足からTLAM/Cもミサイル自体は配備されず、あくまで発射管制能力を有するのみとなった。
従って、就役時には策源地攻撃能力は保有していない。
▼続きを読む

また、主砲についても対地射撃能力の向上が企図され、OTOメララ127mm速射砲に代えてMk.45 5in軽量砲の採用が検討された。
この砲は、複雑かつ大重量の高速装填装置を廃して砲塔の小型軽量化を進めたもので、対地・対水上射撃に主用すべき砲である。
研究開発中の射程延伸型誘導砲弾(ERGM)は、120km先の固定物を精密射撃する目標を掲げており、次世代の火力投射システムとして期待されていた。
しかし、単艦行動を強いられる本艦型の特殊性を考慮したとき、対象国勢力圏下においてイージス武器システム或いは短SAMシステムに不具合を生じたならば、主砲は経空脅威に坑する最大の火力でなければならない。
結局、生存性確保のために速射砲を採用すべきとする意見が容れられ、5in砲の導入は見送られた。
この裏には、OTOメララも127mm速射砲用の誘導砲弾を研究開発中との情報があったともされる。

注1)TELについては90年代中期の情勢。2003年の報告書では、北朝鮮のTEL配備数は50基以上とされる。
注2)誘導砲弾については、ERGMは2008年に開発中止となり、OTOメララのボルケーノ弾は2014年現在、戦力化目前である。

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[2014.09.30(Tue) 20:14] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その2 

 戦域ミサイル防衛
ミサイル防衛は、複数の迎撃システムで阻止率を向上させる縦深防御が基本であり、単独のミサイルで確実に撃墜しようと言うものではない。
TMDにおける海上配備システムは、高層迎撃を受け持つ海軍地域防衛(NAD)と低層迎撃を担う海軍戦域広域防衛(NTWD)の2段階に分けられ、投射する迎撃体はNAD用のSM-3とNTWD用のSM-2ER BlockIV Aが研究開発中であった。(地上配備システムには、高層迎撃用のTHAADと低層迎撃用のPAC-3がある)
この内、最優先で戦力化されるのは、技術的リスクが少なくSM-3の原型となるSM-2 BlockIV Aである。
2009年の実戦配備を目指すSM-3に対し、SM-2 BlockIV Aの戦力化は2001年の予定であり、1999年初頭には生産型の射撃実験を行うとされている。
ゆきなみ型の整備状況と照らし合わせると、就役時に導入されるのがSM-2 BlockIV Aである事は間違いなく、これが同艦が既存のSM-2MRに代えてSM-2ERを、しかも少数のみ搭載するという理由である。
ただし、低層迎撃用であるSM-2ER BlockIV Aは大気圏内での機動しかできず、発射直後のブースト・フェイズ或いは再突入後のターミナル・フェイズしか迎撃チャンスがない。
TMDが対象としている中距離弾道弾でさえターミナル・フェイズにおける再突入速度はマッハ9〜21にもなり、対空レーダーとして桁外れの能力を誇るイージス艦のSPY-1であっても捕捉追尾は容易ではなかった。
その迎撃ともなれば困難の度合いは極めて大きく、大気圏外のミッドコース・フェイズをカバーするSM-3の実用化に先立って、技術的ハードルが断然低いブースト・フェイズを狙うプランも当然考慮しなければならない。
SM-2 BlockIV Aの射程は120km、射高40kmとされており、もしブースト・フェイズで迎撃しようとすれば対象国沿岸への近接を要するという運用上の問題を抱える事になる。
もっとも、同じ低層迎撃であるPAC-3は地上配備のため必然的にターミナル・フェイズで対処するしかなく、米国は任意の迎撃ポイントに急速展開できる点が海上配備型システムの利点であると主張している。

注)迎撃体の開発状況は1998年当時の見積もり。実際には、SM-2 BlockIV Aは2001.12に開発中止となり、SM-3は初期量産型となるBlockI Aが2006年に実戦配備、2009年には主力となるBlockI Bが戦力化されている。



[2014.09.23(Tue) 17:02] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その1 

ゆきなみ型護衛艦は、漫画「ジパング」に登場する架空の護衛艦である。
原作者の知識不足、リサーチ不足から散々な指摘を受けまくった不憫な艦であるが、この度の模型制作に合わせて少々掘り下げてみたい。
詳しい諸元はWikipediaの「みらい」参照。

 問題とされる設定
・艦種記号がDDH(ヘリ搭載護衛艦)→現有イージス艦はDDG(ミサイル護衛艦)
・イージス艦であるにも関わらず区域防空SAMを運用するMk41 VLSが29セルしかなく、これをSUMやSLCMと共用しているためSAMの搭載数が極端に少ない。
・搭載SAMは海自現用のSM-2MRではなく、大型・長射程のSM-2ERである。
・中距離弾道ミサイルの迎撃能力を有する。(就役時のこんごう型は弾道弾の探知・追尾能力を有するが、迎撃手段はない。BMD改修を受けて2007年以降、迎撃可能となる。)
・短SAM専用のMk.48 VLSが48セルも装備されている。
・短SAMはRIM-7F、又はESSMと表記されるが、RIM-7Fは垂直発射に対応しておらず、ESSMの量産開始は2004年(「ゆきなみ」の就役は2000年)であるため、RIM-7Pが正しい。
・トマホークSLCMを搭載している。
・VLS内に用途不明の架空ハープーン(RGM-84-1D-EX)が搭載されている。
・搭載SSMは、平成2年度以降導入されているSSM-1Bではなくハープーンである。
・DDHとされる割には、搭載ヘリは中型2機程度に過ぎない。
・ヘリ格納庫新設に対してSPY-1レーダーの装備位置を改正していないため、後方低高度に大きなレーダーブラインドが生じる。
・OQS-4低周波ソナーは「きり」型や「かぜ」型に搭載されたソナーであり、こんごう型では1世代新しいOQS-102が装備されている。
・OQS-21フランクアレイソナーは2001年に制式化され、配備は2009年就役の「ひゅうが」以降。

この他、ハープーンがレーザー誘導だとかイージス艦なのに短SAMを同時2発しか管制できないとか海鳥がオーバースペックすぎるとか色々あるが、物語上の演出と言うか大人の事情も考慮して今回は割愛する。
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 情勢/時代背景 
原型となる「こんごう」が昭和63年度計画で1990.5.8に起工、1993.3.25に就役している。
以降、「きりしま」と「みょうこう」を経て最終艦「ちょうかい」の就役が1998.3.20であるから、平均して0.7隻/年のペースで整備されたことになる。
これに対し、ゆきなみ型は3年で4隻(平均1.3隻/年)という驚異的な勢いで就役している。
イージス艦をこれだけ急速に整備するには、予算から言って他の艦艇の新造や補修をかなり犠牲にしている筈で、それだけ危急の要求があったと考えられる。

大型自衛艦の就役は3月に集中しており、イージス艦の建造線表がいずれも2年11ヶ月程度であることを考えれば、2000年就役とされる「ゆきなみ」の起工は1997年4~5月上旬と判断できる。
従って調達は平成7年度計画、要求性能の策定は平成6(1994)年中と言うことになる。
この頃に何があったかと言えば、

1993.3.13 米国がTMD構想を発表
1993.5.29 北朝鮮の中距離弾道弾ノドン、初の発射実験。能登半島沖に着弾したが、一部は日本列島を越え太平洋に落下
1993.9.22 日米防衛次官級会談でノドン問題に触れ、米側がTMD(戦域ミサイル防衛)の日米共同開発を提案
1993.9   日米防衛首脳会談にて、TMD日米共同作業グループの設置に合意
1993.12   TMD日米共同作業グループの初会合開催
1994.9   日米BMD(弾道ミサイル防衛)共同研究開始
1995.12.15 中期防衛力整備計画にTMDに関する研究が盛り込まれる。
1996.4.27 日米安保共同宣言「既に進行中のTMD研究で引続き協力を行う」
1997.9.23 日米新ガイドライン「弾道ミサイル攻撃に対応するため密接に協力し調整する」
1998.8.31 テポドン1号、初の発射実験。太平洋への着弾が確認される。
1999.8   イージスBMDシステムの日米共同開発に合意
2003.12.19 BMDシステム導入を決定

現実に日本がBMDに本格参入するのはテポドン事案を受けた1999年だが、もしノドン事案の直後にTMD導入の気運が高まっていれば、平成7年度計画にTMD関連事業が盛り込まれた可能性はある。
当時のTMDは米陸軍のTHAADが難航していたこともあって、イージスという既存システムの転用で技術リスクを抑えた海上配備型の戦力化が急がれていた。
また、抑止力としての実効性を高めるには間隙なく警戒監視を行う体勢が必須であり、最低4隻のTMD艦を整備しなければならない。(前方展開1隻、後方待機1隻、修理整備1隻及び錬成訓練1隻のローテーション)
日本の現有するイージス艦はあくまで護衛隊群の艦隊防空が任務であり、これをTMDに充当しては本来任務に支障を来す恐れがあった。
従って、TMDに専任するイージス艦を急速に整備する必要があり、1.3隻/年という尋常でない建造ペースもこの目的のためと考えられる。

整備状況を表にすると、その尋常でないペースが分かるが、この実現は厳しいものがある。
建造時期から言って、ひょっとしたら「ちょうかい」の起工は延期になったかも知れない。(この場合、「たちかぜ」が続投となり、契約の絡みから「ゆきなみ」の建造は石川島播磨重工業になる算が大きい)

 整備年表
1987:63業計案策定(「こんごう」要求)
1988:63業計承認(「こんごう」契約)
1989:02業計案策定(「きりしま」要求)
1990:02業計承認(「きりしま」契約)、03業計案策定(「みょうこう」要求)、「こんごう」起工
1991:03業計承認(「みょうこう」契約)、「こんごう」進水
1992:05業計案策定(「ちょうかい」要求)、「きりしま」起工
1993:05業計承認(「ちょうかい」契約)、「こんごう」就役、「きりしま」進水、「みょうこう」起工
1994:07業計案策定(「ゆきなみ」要求)、「みょうこう」進水
1995:07業計承認(「ゆきなみ」契約)、08業計案策定(「あすか」「みらい」要求)、「きりしま」就役、「ちょうかい」起工
1996:08業計承認(「あすか」「みらい」契約)、09業計案策定(「2504号艦」要求)、「みょうこう」就役、「ちょうかい」進水
1997:09業計承認(「2504号艦」契約)、「ゆきなみ」起工
1998:「ゆきなみ」進水、「ちょうかい」就役、「あすか」「みらい」起工
1999:「あすか」「みらい」進水、「2504号艦」起工
2000:「ゆきなみ」就役、「2504号艦」進水
2001:「あすか」「みらい」就役
2002:「2504号艦」就役
注)業計…年度業務計画

 以下、次号に続く…。

参考までに、過去に「みらい」について検証したサイトを紹介する。
>><みらい>の謎Ⅰ (架空艦艇建造委員会様)
>>「ジパング」の護衛艦みらいを考察する!(群馬大学GA研究会様)
>>ゆきなみ型DDHは何故生まれたか(建艦日報様)

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[2014.09.22(Mon) 23:59] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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海上自衛隊多目的揚陸艦 LSM-X 

ちょいと現用架空艦を考えていて、キーロフの船体が余る事態となったのでその再利用を考えてみるテスト。

万能=中途半端統合運用と言うか何と言うか、大変ごちゃ混ぜ感の強いしらね型DDH代艦。
いや、DDH代艦と言うより改おおすみ型LSTっぽいんですがw

発端は実に単純で、キーロフ級の船体をどう料理しようかとアイディアを求めて世界の艦船を読んでいたら、たまたま載っていた強襲揚陸艦を見て何か無性に作りたくなってしまい、取り敢えず海自で空母船型をしている16DDHとおおすみ型を参考に描いてみたらこうなっちゃった訳です。RAM短SAMはなんかカッコ良いから付けた(ぉ
素直にヘリ空母かV/STOL空母にすりゃ良いんじゃね? とも思ったんですが、海自に必要なのか必然性が思いつかなかったのでパスしました。
じゃぁ強襲揚陸艦は必要なのかって気もしますが、おおすみ型に災害支援時の航空設備を付加したものとお考え頂ければ。ほら、スマトラ・インド洋派遣の時、船型の小ささとヘリ搭載能力の欠如が問題視されたじゃないですか。CH-47なんかキャンバスでグルグル巻きにされて酷い有様でしたし。
あれに対応したものと思えば何とか説明できるんじゃないかしら。VTOL機とスキージャンプ甲板は激しく蛇足だけど。

で、せっかく2万トン超の大型艦にするなら、揚陸艦としてだけでは勿体無い。よって、任務ごとに対潜ヘリ積んで水上戦闘艦としても使えば良いんじゃね→なら自衛用にESSMとFCS-3改があっても良いよな→図案完成
と言う訳です。
安直? 今さら何を(ぉ

尤も、アイディアを書き留めておいただけで、当分建造する予定はないんですがw
▼続きを読む

<ちょっと訂正>
図中でLCAC発着艦用のランプドアのスペルが微妙に間違っているのに、余りにもさり気なかったためか誰からも突込みがなくて寂しかったなんて事は決してありません。あれですよね。皆さん、私の顔を立てて敢えて黙っててくれたんですよね!
ちなみに「RAMP」です。LとRの発音が区別できない(ぉ

ついでに言うと表題の多目的揚陸艦/LSMは、Multiple Landing Shipの略です。米軍的にはLHDだけど、そんなの関係ねぇ。<2007.11/19.0633 追記>

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[2007.11.15(Thu) 23:59] 架空艦Trackback(0) | Comments(2) 見る▼
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COMMENT

ちわっす by らびQ
こんちは^^

おおすみクラスの無念を晴らしてください^^/

どもですー by 大和甲型
実際問題、当分の間LST新造の話はないのでおおすみ型の負担って結構大きいんですよね。うーむ。

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改金剛型巡洋戦艦「榛名」を妄想してみる 

 金剛型巡戦四隻の建造

 明治39年、列強海軍国の建艦競争は、英国戦艦「ドレッドノート」の登場により、弩級艦時代へと突入した。
 これに先駆け準弩級戦艦「薩摩」を建造していた日本海軍は、さらに砲力を強化した河内型戦艦を建造して、列強の建艦競争に対抗する。また、英弩級巡洋戦艦「インヴィンシブル」建造の報に接するや、予定していた改鞍馬型装甲巡洋艦の建造を延期して、12インチ(30.5cm)砲八門を搭載する弩級巡洋戦艦の設計に着手した。
 しかし、二万トンを超える大型戦艦の建造経験を持たなかった日本海軍は、技術導入のため英国ヴィッカース社に設計・建造を依頼することにし、検討作業に入った。
 当初、軍令部は主砲に50口径12インチ砲十二門を要求していたが、度重なる討議の結果「50口径12インチ砲十門、6インチ砲十六門」に落ち着き、それを次期巡戦の基本軸として詳細設計が進められる。
余談であるが、この時にヴィッカース社から45口径13.5インチ(34.3cm)砲の売り込みがあった事実も忘れてはならない。時を同じくして、米英では超弩級戦艦(米「テキサス」、英「オライオン」)の建造計画が着々と進められており、超弩級艦時代の到来は自明であったのだ。
 だが、運用上か或いは予算上の問題なのか日本海軍は12インチ砲を採用した。砲配置は、連装砲塔・三連装砲塔各二基を搭載する予定で、これが実現していれば日本海軍初の三連装砲塔搭載艦となっていた筈である。この三連装砲塔は、イタリアの弩級戦艦「ダンテ・アリギエーリ」用に設計されたものを日本海軍向けに改良したものだった。
 この後、一旦は12インチ砲の採用を決定した日本海軍であったが、英海軍が行った大口径砲の試射実験のデータを手に入れた事で、方針の転換が行われた。
 即ち、「45口径14インチ(35.6cm)砲」の採用である。
 この試射実験とは、「50口径12インチ砲」と「45口径13.5インチ砲」との比較公試であったが、その結果は射程、散布界、砲身命数の全ての点に於いて13.5インチ砲が優れていた。つまり、長砲身化よりも大口径化こそが全般的な性能向上に繋がると言う事が判明したのである。(無論、砲熕技術の進歩した今日では其の限りではない)
 これを受けた日本海軍は、どうせ大口径砲を採用するならと13.5インチ砲の上を行く14インチ砲の採用を決定し、ヴィッカース社に設計変更を指示した。
 しかし、当初の砲数(主砲十門)のまま大口径化すると艦型が過大となり、予算に収まらない上に工期も伸びてしまう事は明白である。仕方なく「連装砲塔四基八門」の形に縮小される事となったが、12インチ砲が主力の当時に於いては、未だ英米独の主力艦を凌駕する攻撃力を誇っていた。
 明治43年10月、上記仕様に再設計された最終設計案「472C」が、ヴィッカース社で纏められた。
 こうして建造されたのが、日本海軍初の超弩級巡洋戦艦「金剛」である。

 また、今回のヴィッカース社への発注には技術輸入の意味も込められており、「金剛」一艦のみ英国(ヴィッカース・バロー造船所)で建造し、残りの三艦「比叡」「榛名」「霧島」は日本で建造する事としていた。
 「比叡」は「金剛」より約一年遅れた明治44年末に横須賀海軍工廠にて、「榛名」「霧島」はそれぞれ川崎重工神戸造船所及び三菱重工長崎造船所にて共に翌年3月には起工する事が予定された。民間造船所で戦艦が建造されるのは、日本では「榛名」「霧島」が初である。
 これに備えて、艦政本部と両社の間で数度の交渉・打ち合わせが続けられていた。起工予定の一年前、44年初旬の事だ。
 しかし、日露戦役による財政圧迫と折からの軍縮論に遭遇した海軍は、44年度計画の大幅な削減を迫られていた。
 この時、問題とされたのは「比叡」「榛名」「霧島」の建造予算である。と言うのも、ネームシップの「金剛」こそ1907年度予算と比較的新しく建造を認可されているが、「比叡」の予算は日露戦争臨時軍事費からの抽出であり、「榛名」「霧島」に至っては戦前に認可された第三期軍備拡張計画に基づくものであったからだ。
 日露戦役は終結し、軍備方針も変更された今日、これは議会による軍縮要求の格好の獲物となた。しかし、海軍に言わせて見れば、一旦は認められた権利を手放す道理はなく、また列強の建艦競争に遅れを取る訳にも行かない。
 この対立の末、海軍は何とか「金剛」「比叡」の建造予算だけは、ゴリ押しに近い形で確保したものの、残りの二艦に関しては計画保留の決定が下されている。
 これは、ヴィッカース社との契約上、日英同盟を考慮して「金剛」の建造は認めざるを得ず、運用の都合から「比叡」の建造も認めるが、今は一先ず2隻で我慢してくれまいか、と言う事であった。
 海軍としても、2隻を確保すれば取り敢えず運用に支障はないし、これ以上の議会との対立は避けるべきとの意向から、この提案を了承した。
 こうして、「榛名」「霧島」の二艦については建造計画が凍結される事となったのである。

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 改金剛型巡戦の設計

 技術の進歩は日進月歩である。
 それは最先端科学技術の結晶たる戦艦にとって、二重にも三重にも重い言葉であると言えよう。
 時あたかも明治末期、巡洋戦艦の発達著しい時代であり、『今日の新兵器は明日の二線級』とまで言われる技術革新の時代であった。
 こんな折に、新鋭艦二隻の建造延期が何を意味するかは素人目にも明らかである。英独の建艦競争は激しさを増し、タイガー級やデアフリンガー級等の強力な巡戦に加え、アイアン・デューク級、ケーニッヒ級と言った新鋭戦艦の整備も進んでいた為、日本海軍の焦燥は否応にも高まった。
 そこで金剛型を拡大改良して、新たに榛名型巡巡洋戦艦を設計する提案が軍令部からなされた。幸か不幸か建造まで一年余の余裕があり、改設計には十分と言える。
 こうして、原案を復活させた「主砲十門搭載艦」として、改金剛型巡戦の設計作業がスタートした。

 最大の問題は砲配置である。
 先の金剛型巡戦と扶桑型戦艦が14インチ連装砲を採用している事から、生産と運用面の効率化を優先して三連装砲塔は不採用となった。よって、砲塔は連装砲五基となったが、その配置をどうするか、である。
 艦全体の重量配分から言えば、重量物は重心に近い方が安定するが、前後檣の間に砲塔を設置すると爆風問題や射界等で不具合が生じてしまう。かと言って、前後どちらかに一基増設して「三基・二基」の配置とすれば、重量が偏り全体の平衡が崩れるので設計変更が大規模となる。
 だが、最終的に増設する砲塔は従来の三・四番砲塔の中間に配置された。
 射界確保や防御配置の合理化を考慮してのことだ(特に、弾薬庫の集中が防御重量軽減に貢献する点で好まれた。)。これに伴い、従来この位置にあった主機械室を後檣の直下へと移設、缶室の密集する区画で船体を21m延長し、主缶四十基を配置した。この延長作業には、砲塔増設に因って沈下した喫水を補う浮力増大の意味もある。
 また、艦橋構造物等は金剛型に順じており、傍目には単純に主砲塔を増設しただけの艦影となっていた。
 幸い明治45年度予算で巡戦二隻の建造予算が認可されたので、明治45年10月末を起工予定としていよいよ準備が進められた。

 巡洋戦艦「榛名」 竣工時要目
全長:235.6m   全幅:28.0m
基準排水量:27,750t  
缶:混焼缶 40基  機械:蒸気タービン 2組4軸
機関出力:71,000hp 速力:27.5kt

 主砲:45口径35.6cm連装砲  5基
 副砲:50口径15.2cm単装砲 16基
補助砲:40口径 7.6cm単装砲  8基



 大改装後の高速戦艦「榛名」

 ワシントン及びロンドンに於ける軍縮会議の結果、主力艦(戦艦、巡洋戦艦)の保有を制限された日本海軍は各艦に近代化改装を施して戦力の質的向上に努めたが、高速戦闘部隊の主力を成す榛名型巡戦もまた、その対象となっている。
 大規模な改装工事が為されたのは、大正12年と昭和8年の2度であった。

 第一次大改装では、主に防御力の向上が図られている。
 これは、欧州大戦での戦訓(ドッガーバンク海戦、ジュトランド沖海戦等)によるもので、英国式第2世代巡戦(ライオン級、レナウン級等。金剛型も含まれる)の防御力の脆弱性を補完する目的で行われたものであった。
 特に、ジュトランド沖海戦(別称:スカゲラック沖海戦)での英弩級巡戦三隻の轟沈は、その親戚とも言える金剛型を保有する日本海軍にとって非常な衝撃であったに違いない。これに加え、同大戦の結果、砲戦距離が飛躍的に増大した事もあり、水平装甲の格段の強化も求められていた。
 そこで、金剛型・榛名型の各艦には、甲板と舷側装甲帯に防御鋼鈑が増設された。
 また、石炭缶を重油混焼缶へと換装する作業も同時に行われている。この結果、煙突は2本に減少したので、後檣直前の第3煙突を撤去し、余剰スペースに弾着観測用の気球を搭載する事となった。
 艤装関係では、艦橋の檣楼化に加え、方位盤射撃装置が搭載され、それまでの各個照準射撃から全門統制射撃へと射撃システムが更新されている。
 また、副砲指揮所も増設され、戦闘能力の増強が図られた。
 この改装により、攻防力が一段と強化されたが、機関出力の増大は実施されなかった為、速力は26ktに低下してしまい、艦種類別は「巡洋戦艦」から「戦艦」へと変更された。
 この時点で、日本海軍に於ける巡洋戦艦の歴史は終焉したと言って良い。

 第二次大改装では、満州事変の勃発により、日支関係ひいては日米関係の悪化も懸念され、より一層の戦力増強が求められていた。
 また、連合艦隊内での漸減邀撃決戦構想が本格的に検討され始めていた事もこの改装に影響を与えた。
 即ち、水雷夜襲部隊を火力支援する高速戦艦の必要性である。
 ロンドン会議により「金剛代艦」が水泡に帰した現時点で、この任務に耐え得るのは金剛型以外には考えられなかった。第一次改装で戦艦になったとは言え、推進機関の換装など改装の余地は未だに残っており、且つ元来は巡洋戦艦として建造されたスリムな艦型は高速戦艦に都合が良かったのである。
 よって、この改装の主眼は、戦闘能力の向上と速力増大に絞られた。
 この内、機関に関して行われたのが、混焼缶から重油専焼缶への換装と減速タービンの導入である。
 換装の結果、缶は10基まで減少したが、ロ号缶と新型タービンの搭載により、機関出力は帝國海軍最大の17万馬力へと大幅に強化され、更に缶の集中と誘導煙突の併用により、煙突の占める上甲板面積も削減されている。搭載機を気球から水上偵察機に変更したので、このスペースにカタパルトを装備して航空作業甲板とした。
 また、射撃指揮システムも最新のものに更新され、前後檣楼はより複雑化している。
 防御面では、主装甲範囲の増加と弾薬庫、機関部の装甲強化が行われた。
 さらに、浮力増大と水雷防御を目的として、舷側にバルジが設けられ、その中には重油と水密銅管が充填された。
 また、武装強化により低下した速力を補う為と、弾薬庫の装甲強化により沈下した艦尾の浮力を補う為、艦尾が8m延長されている。
 この結果、機関出力強化と相まって、速力は29.5ktまで増大した。
 兵装面では、重量軽減の為に副砲2基が撤去され、また、補助砲は八九式高角砲八門に換装されている。

高速戦艦「榛名」第二次改装後


 高速戦艦「榛名」 第二次改装時要目
全長:243.6m   全幅:31.1m
基準排水量:32,850t  
缶:専焼缶 10基  機械:ギヤード・タービン 4軸
機関出力:170,000hp 速力:29.5kt

 主砲:45口径35.6cm連装砲  5基
 副砲:50口径15.2cm単装砲 14基
高角砲:40口径12.7cm連装砲  4基



 大東亜戦争下の戦艦「榛名」 略年表

S16.12/4?:マレー攻略作戦支援
S16.12/8?:南方作戦支援
S17.3/7:クリスマス島砲撃
S17.3/26?4/18:インド洋作戦(機動部隊支援)「セイロン島沖海戦(4/5?9)」
S17.5/27?6/24:MI作戦(機動部隊支援)「ミッドウェイ海戦(6/5?7)」
S17.9/6?:ソロモン方面作戦支援
S17.1013:ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場砲撃
S17.10/26:「南太平洋海戦」(前衛部隊主力)
S18.1/3?2/5:ガダルカナル島撤収作戦支援
S19.6/19?21:「マリアナ沖海戦」(前衛部隊)
S19.10/22?28:捷一号作戦「比島沖海戦(10/23?26)」
S19.11/8?11:オルモック輸送作戦
S20.7/24?28:呉軍港大空襲 大破着底
S20.8/15:終戦


*)本文は架空設定に基づくフィクションであり、実在する国家、組織、企業、艦艇等とは全く関係ありません。

 <あとがき>
半年ほど前に書き記した妄想文に加筆修正を加えてみました。
まぁ単純に、天城ちっくな金剛を思い描いただけなんですがねw
模型も作ろうと図面なんかも用意していたんですが、結局建造されず終いで今後も建造するか微妙なので、認めた架空設定だけ先にうpしました。手抜きじゃないってばw

 参考サイト
近代?現代艦艇要目集さん(スペック参照)
いやぽぽさん(画像拝借)

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[2006.08.04(Fri) 23:56] 架空艦Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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