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艤装品の表現 その9.2「信号旗(形象物)」 

前回、海事法規に基づく信号について解説したが、これと関連して形象物についても記しておく。

形象物とは、マストに掲揚して自船の状態や性能を表示するもので、海上衝突予防法及び海上交通安全法により規定されている。
形象物一覧
予防法に定められた形象物(海難審判所公式サイトから加工して引用)
この他、海交法では紅色球形、紅色円すい形、白色ひし形形象物が定められている。
一般的には網カゴ状の物を使用するが、パネルを組み合わせた物や布製の物もある。
参考>>日本船燈株式会社 商品ページ(海自にも納品しているメーカー)

掲揚例
作業船における実際の掲揚例
なお、予防法では形象物を連掲する場合、1.5m以上の垂直間隔を開けるよう規定されているが、実際には1m程度が多いようである。
これは自衛艦も商船も共通で、慣例的なものだろうと思う。
また、法規上は昼間(日出前の薄明時から日没後の薄暮時まで)掲揚するよう定められているが、自衛艦ではきっちり日出没時に揚降している。
商船では夜間も揚げたままであることが多い。
▼続きを読む

形象物も多すぎて全ては紹介できないので、自衛艦が使用するものだけをピックアップする。

錨泊
球形形象物1個を掲揚する「わかさ」(メバル警備所様から引用)
最も使用頻度が高い形象物で、「黒球」と通称される。
意味は「錨泊船」である。
錨泊の定義は、錨が海底に着いた時から錨が海底を離れるまでであり、錨が海中を揚降されている間は含まない。
最も見やすい場所に掲揚することが定められており、自衛艦ではメインマストであることが多い。
錨泊2
「やまぎり」の黒球掲揚例(メバル警備所様から引用)
艦によってはマスト前部側に揚げることもある。

操縦性能制限船
球形-ひし形-球形形象物を連掲する「はまな」と「じんつう」(海上自衛隊公式サイトから加工して引用)
「操縦性能制限船」を意味する形象物で、作業により運動が制限される場合に掲揚する。
上写真では、洋上給油により運動が制限されるため、補給艦・受給艦ともに掲揚している。
この他に、護衛艦同士のハイライン作業、敷設艦による水中作業(海底ケーブル敷設・揚収)、海洋観測艦による観測・測量作業などが該当する。
法規上は航空機の発着作業も含まれるが、護衛艦のヘリ発着艦では形象物を省略している。

引き船
ひし形形象物1個を掲揚するタグボート
「引き船」の形象物である。
自衛艦での使用頻度は高くないが、曳航作業の際に掲揚する。

掃海作業
黒球3個を掲揚する「えのしま」(メバル警備所様から引用)
「掃海作業に従事する操縦性能制限船」の形象物である。
この形象物を掲げた掃海艇の半径1000m以内は、危険水域であることを示す。
掲揚位置はマストトップ、両舷ヤードに各1個と定められており、上写真では右舷ヤードに掃海作業中を示す国際信号(Ans - P B)が併用されている。

この他、写真を用意できなかったが、黒球2個を連掲する「運転不自由船」の形象物がある。
これは、主機や舵機が故障したために行動の自由を奪われた場合に使用する。
付近船舶との二次災害を防止するためのものであり、戦闘被害による故障では掲揚しない。
戦時に「運転不自由船」の形象物を使用するのは、「攻撃してください」と言っているようなものである。

巨大船
黒色円筒形2個を連掲する「いずも」(海上自衛隊公式サイトから加工して引用)
「巨大船」を意味する形象物である。
「巨大船」とは全長200mを超える船舶であって、自衛艦では「いずも」型護衛艦と「ましゅう」型補給艦が該当する。
ただし、同規定は海交法によるものであるため、海交法適用海域(東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海)以外では使用されない。
従って、佐世保や舞鶴、大湊に入港する際や外洋航行中は掲揚しない形象物である。

おまけ
緊急船舶
紅色円すい形形象物1個を掲揚する「たかとり」(右舷マストトップ)
海交法における「緊急船舶」の形象物である。
普段は巡視船艇でしか見られないが、自衛艦も緊急船舶の設備を備えているため、指定を受ければ掲揚することがある。

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[2017.04.08(Sat) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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艤装品の表現 その9.1「信号旗 続き」  

ちょっと日が空いてしまったが、信号旗について続ける。

先に記したように、信号旗の用法には大別して「国際信号」と「軍用信号」がある。
さらに今回は、海事法規で定められた信号とこれに関する形象物について紹介する。

なお、法規のくだりは、細かく書くと煩雑になるので、正確さより分かりやすさを優先している。
また、全ての信号・形象物を紹介すると本が一冊できてしまう量なので、自衛艦・軍艦に関係するものだけをピックアップする。
▼続きを読む

海事三法と呼ばれる「海上衝突予防法」「海上交通安全法」及び「港則法」のうち、「海交法」「港則法」に信号旗に関する規定がある。
「予防法」は海上衝突予防条約に基づく一般法であり、沿岸か外洋かを問わず全ての海域に適用され、国際信号書と同じく世界共通のルールである。
一方で、「海交法」「港則法」は日本の国内事情に即して制定された特別法であり、特定の海域にのみ適用される。

この中で、自衛艦が使用する信号旗は多くなく、「行先信号」と「p1(pennant one)」くらいである。
行先信号は読んで時のごとく「他船に行き先を知らせる信号」で、海交法で定められた航路に関するものと、港則法で定められた特定港に関するものがある。
まずは航路の行先信号について紹介するが、基地所在地に向かう航路で海交法が絡むのは浦賀水道航路だけである。
従って、広報で民間港に入るケースを除けば、横須賀に入港する際にしかこの信号は使用されない。
浦賀水道航路を北上して横須賀港に向かう行先信号は
第1代表旗 P旗
であり、これをマストに掲げるが、国際信号書の定める信号ではないのでアタマに回答旗は付けない。
北上船2
浦賀水道航路を北上する「こんごう」と「むらさめ」(画像はメバル警備所様から許可を得て引用)
「むらさめ」の左舷ヤードに「第1代表旗 P旗(横須賀行き)」が、「こんごう」の右舷ヤードに「第1代表旗 N旗 S旗(木更津行き)」が掲揚されている。

なお、例えば「かが」が海上公試の帰途、浦賀水道航路を北上してJMU磯子工場に向かう場合には
第2代表旗 P旗
「しらせ」が浦賀水道航路から中ノ瀬航路を経由してJMU鶴見工場に向かう場合には
第2代表旗 N旗 P旗
となる。
北上船1
浦賀水道航路を北上するコンテナ船。
「第2代表旗 N旗 S旗」を掲揚する、東京・千葉方面行きである。

港則法に定められた行先信号は、特定港における係留岸壁を示すものであり、基地所在地では函館基地隊がある函館港と阪神基地隊がある阪神港がある。
函基は函館港第1区にあり、行先信号は
第2代表旗 p1
阪基は阪神港神戸区第3工区にあり、行先信号は
第2代表旗 E旗 p3
となる。
阪基入港
阪神基地隊に入港する「つのしま」(阪神基地隊公式HPから加工して引用)
右舷3番に「p1(後述)」、左舷2番に「第2代表旗 E旗 p3」、左舷3番に「Ans旗」を掲揚している。
Ans旗については、岸壁ないし在泊艦艇が「Ans - U W p2(入港歓迎)」を掲揚しているものと思われ、それに対する解信だろう。

参考までに、観艦式で京浜港横浜区の大桟橋に係留する場合には
第2代表旗 O旗 S旗
前記のJMU鶴見工場に係留する場合は
第2代表旗 S旗 H旗
を掲揚することになる。

次に「p1」の用法であるが、これは港則法が適用される特定港の中でも特に船舶交通が著しく混雑する特定港において、航行の優先権を持つ大型船とその他の汽艇(雑種船)等とを区別するための信号である。
基地所在地で該当する特定港は阪神港のみであり、総トン数500t以上の船舶は「p1」を掲揚する。
総トン数を使用しない自衛艦にあっては、基準排水量をもってこの法を適用しているので、阪基に所属する掃海艇(基準排水量510t)は、港内においては掲揚することになる。
また、京浜港も総トン数500t以上の船舶が該当するので、前記のように横浜の大桟橋や造船所、東京の晴海に入出港する際には掲揚しなければならない。

またしても長くなってしまったので、形象物の解説は更に次回とする。

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[2017.03.16(Thu) 02:29] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(2) 見る▼
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COMMENT

無理? by メバル所長
途中まで、読んだのですが
何が何だか分からくなってきました\(゜ロ\)(/ロ゜)/
私には、海上自衛官は無理です。
まあ、歳のせいもあるんでしょうけど・・・・
しかし、解るようになると
自衛艦艇や船に対する興味が増すと思います。
ともあれ、お帰りなさい でいいのかな?
形象物の解説楽しみにしています。

慣れですね… by 大和甲型
ただいま帰りました!

なんでもそうですが、最初はチンプンカンプンですよね。
何回か出入港して行く中で覚えます(^ ^)
警備所沖は海交法も港則法も適用されないので、あまり見る機会はなさそうですけど…。
また、最近はAIS(船舶自動識別装置)の搭載が義務付けられているので、信号旗を見なくてもスマホやパソコンのアプリで行き先を知ることができます。

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艤装品の表現 その9「信号旗」  

自衛艦の主な行動エリアが遠く陸岸を離れた洋上ということもあって、自衛艦を直接目にする機会というのはそう多くない。
ほとんどは港内に停泊中か沿岸航行中の姿で、洋上を行く姿を見られるのは訓練展示や観艦式くらいであろう。
そんな数少ない機会でも気付くのが、マストに翻る色とりどりの旗である。
タイコンデロガ級
出港するイージス巡洋艦「アンティータム」
マストトップに軍艦旗、右舷ヤードに国際信号 Ans H 、左舷ヤードに船名符字 N A T M を掲揚している。

自衛艦に限らず、艦船は多彩な旗を使って互いに通信しており、無線技術が発達した今日にあってもその重要性は変わらない。
しかし、その詳細についは海事従事者でもなければ知る機会がなく、一般には国際信号が知られる程度である。
灰色一色になりがちな艦船模型にあってその存在感は抜群なので、是非模型でも再現して欲しいし、その意味を知ればジオラマなどでも表情をつけることができるだろう。
今回は「指揮官旗」「軍艦旗」に続き、「信号旗」について詳述する。
▼続きを読む

一般に信号旗として知られる国際信号旗は、国際信号書により規定された40種類の旗であり、A〜Zまでの文字旗26旗と0〜9の数字旗10旗、第1〜3の代表旗4旗、回答旗1旗から構成されている。
国際信号についてはWikipedia参照のこと。
なお、現行の国際信号書は1969年に制定されたものであるため、映画「コクリコ坂から」で U W を掲揚しているのは正確ではない。(映画の舞台が1963年であるため、「御安航を祈る」は W A Y)

海上自衛隊では、この他に0〜9の数字旗10旗と特別旗17旗、第4代表旗1旗を使用しているが、これはNATO軍の「戦術信号書 ATP&ACP」で定められた軍用信号である。
数字旗については、国際信号は流旗(pendant / pennant)であり、NATO信号は方旗(flag)であるため、明確に区別される。
なお、数字流旗は「p1」「p2」と表記し、「pennant one」「pennant two」と発声するのに対し、単に「1」「2」といった場合は数字方旗を指す。
このNATO信号は、国際信号旗40旗も併せて使用するため、自衛艦は計68旗の信号旗を組み合わせて掲揚していることになる。
旗の大きさは全て二幅で、方旗であれば90cm×120cmである。
1/700では1.3mm×1.7mmとなるので、市販の信号旗デカールは僅かにオーバースケールとなるが、許容誤差と思う。
しかし、NATO信号旗については、まだ販売されていないので自作するしかない。

国際信号書には、軍艦が商船と通信する場合は回答旗に続けて国際信号を掲揚するよう規定されている。
自衛艦が商船に対して「私は演習中である。私を避けよ。」を送信する際は Ans - U Y を掲揚し、「操縦の試運転」であれば Ans - R U p1を掲揚する。
「 - 」は「間索(タック)」と呼び、国際信号書では長さ約2mの揚旗線とされているが、自衛艦では90cm程度の揚旗線を使用している。
そして、海上自衛隊では、艦艇同士で国際信号を使用する際にも回答旗を冠している。
例えば、自衛艦が自衛艦に対して「航海の安全を祈る」を送信する際は、Ans - U W を掲揚することになる。
ちなみに、回答旗は「Ans」と書いて「answer」と発声する。
えい船
出港船を見送る曳船「YT-67」 マストにAns - U W が掲揚されている。

逆に言えば、回答旗が掲げられていない旗流信号は、ほとんどがNATO信号ないしは海上自衛隊が定めた信号である。(一部例外、後述)
NATO信号を定めた「戦術書 ATP」及び「信号書ACP」については、秘文書に指定されており内容は非公開である。
従って、多くを語ることはできないので、概要については公開されている情報として国会答弁を引用する。
「ACP、すなわちAllied communcation Publication あるいはATP、Allied Tactical Publicationでございますが、こういった文書、すなわち米国の海軍が自由主義諸国の海軍と行動をともにする際に、相互の連携というのを円滑にいたしますために米国海軍が作成した文書でございまして、通称ACPにつきましては、標準的な通信要領、それからまたATPにつきましては標準的な戦術要領、これが定められておるわけでございます。」
海自が定めた信号については、「海上自衛隊信号通信実施要領」(通称「信通」)により定められており、これも注意文書(非公開)である。
まきなみ見送り
横須賀を出港する護衛艦「まきなみ」
国際信号を掲げる曳船に対して、「まきなみ」が掲揚しているU旗1流は軍用信号である。

思いの外、長くなってしまったので、模型資料としての掲揚例については日を改めて記述する。

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[2017.02.12(Sun) 13:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(2) 見る▼
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COMMENT

さすがプロ by メバル所長
待ってました、プロのこぼれ話!
何故、NATO信号を定めた「戦術書 ATP」及び「信号書ACP」が秘文書なのか良く分かりません。
西側諸国の海軍は、当然、同文書に従って方旗を揚げているんでしょうし、海自が定めた「信通」を含めて、秘密にするほどの内容なのでしょうか?
更に良く理解できないのが、国会答弁。
読み直してみても、言いたい事が良く分かりません。わざとそういう風に答えているのでしょうかね(・・?

お待たせしました(笑) by 大和甲型
戦術書というのは、国際信号書のような単なる符号の羅列ではなく、戦闘時の戦術行動に関する規約が記されておりますので、同盟国以外には公開されません。
また、この信号は旗流信号にも適用されますが、メインで使われるのは無線通信による音声交話です。
西側諸国はお互いにAPを持っていますので、僚艦とは信号により統制されますが、例えばロシアや中国がその通信を傍受しても内容を知ることはできません。
信通についても同様で、信号の送受信の手順そのものを規定した文書ですので、これが漏洩しますと自衛隊の使用する信号通信がバレてしまうことなります。
信号書は、日本海軍でも機密扱いでした。(それが漏れて大変なことになりました)

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艤装品の表現 その8 「戦闘通路(滑り止め)の塗装」  

かなり以前から議論されている感のあるネタである。
自衛艦の戦闘通路、上甲板の白線の内側は何色なのか?
一昔前には、かなり暗い色であるジャーマングレーを塗るのがメジャーであったと思う。
これは当時、現用艦をほぼ独占していたピットロードの塗装指示による影響だろう。
しかし、最近では二通りの勢力があり、意見が割れている。
一方は、暗い灰色は滑り止めの凹凸で色味が変わっただけで、塗色自体はデッキと同色であるとするもの。
他方は、滑り止め塗装に専用の塗料を用いているので、塗色自体が違うとするもの。
モデルアート誌やモデルグラフィックス誌などで、どちらも現役自衛官の証言として伝えられており、一体どちらが正しいのかと言ったところである。
▼続きを読む

前にも述べた通り、自衛艦の塗装というのは個艦ごとに細部が違うため、例外がないとは断言できない。
その上で私の経験から言えば、基本的には前者が正しい。
ただし、後者も半分は正しい。
模型誌のライターがどのように質問したかは分からないが、乗員は「デッキと滑り止めは同じ色ですか?」と聞かれれば「Yes」だし、「滑り止めには専用のペンキを塗っていますか?」と聞かれても「Yes」と答えただろう。

これは、滑り止め塗装の手順を知れば理解が早い。
まず、甲板全体にデッキ色を塗る。
乾燥後、戦闘通路となる部分を養生テープでマスキングする。
そして、戦闘通路に再度デッキ色を塗りながら、乾く前に硅砂を満遍なく撒いていく。(ペンキが接着剤になる)
また乾燥させて、今度は撒いた硅砂の上から「シャブ」とか「シャバ」とか言われる専用塗料を塗る。
もちろん覚醒剤のことではなく、硅砂に染み込むようにシンナーで“シャバシャバ”に薄めたデッキ塗料である。(シャブに対し、薄めていないペンキを「生」「生ペン」などと呼ぶ)
これを塗り重ねることで、ペンキによって硅砂が固着し、強い滑り止めとなる訳だ。
最後に養生テープを剥がし、生のデッキ色で上塗りして仕上げとなる。
つまり、専用のペンキは確かに使うが、色はデッキ色と変わらない。

本当は作業中の写真を見れば一目瞭然なのだろうが、勤務中に写メを撮り、それをブログにアップなどしようものなら問答無用で服務規律違反となってしまうので、文章で紹介するにとどめる。

この記事は、模型において戦闘通路を違う塗料で塗ることを否定するものではない。
ペンキがどうあれ、滑り止めの凹凸によって戦闘通路の色味が違って見えるのは事実であり、それを模型に落とし込むのは表現法の一つだと思うからだ。
ただし、凹凸による色味の違いは「暗く見える」だけではないことも知っておいて欲しい。
光の当たり方で「明るく」も見えるし、デッキとの「ツヤの違い」程度に見えることもある。
模型における戦闘通路の表現は、もっと多様化してもいいと思う。

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[2016.05.05(Thu) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(4) 見る▼
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へ~ by メバル所長
護衛艦の滑り止めの方法は、警備所の回廊(まあ、ベランダとも言いますが)と一緒ですね。
回廊の防水剤を兼ねた緑色の塗装に、砂を撒いて滑り止めにしてあります。確かに、見た目の色は違います。それに汚れが付きやすく違う色に見えます。現在は、黄砂の影響か黄色ぽい色合いです。
しかし、滑り止めの御蔭で掃除が大変です。黄砂もそうですが、鳥のフンやら何やらがデッキブラシで擦っても取れなくて往生します。(-_-;)

教えてください by メバル所長
私のブログで、海上自衛隊の旗の揚げ方、降ろし方が話題になっています。
現役の方に訊かないと、分からない事なので教えてください。

1.午前8時の揚げ方、日没時の降ろし方?の時は、艦内いる全員が後甲板に集合するのでしょうか
 ①基地内で停泊中の自衛艦の場合
 ②沖止めの場合

2.基地自体には、日章旗が揚げられていると思いますが、その揚げ方、降ろし方の時には、陸上自衛隊のように、その場で直立し日章旗の方向に向くのでしょうか

3.自衛艦では自衛艦旗に比べ日章旗が冷遇されている気がしますが、旧海軍からの伝統でしょうか、それとも何か理由があるのでしょうか

以上、お暇な時にお願いたします。
また、結果は私のブログに掲載させて頂きたいと思います。よろしいでしょうか

追加質問 by メバル所長
たびたび申し訳ありません。
4.前記1の①②の場合、艦内に残っている隊員が居るとすると、その隊員は、自衛艦旗の方向を向いて直立するのでしょうか

5.後甲板に集合する隊員と、艦内に残る隊員の区分はどのように分けるのでしょうか

お待たせしました(^^; by 大和甲型
長いこと返信できず、すみませんでした。
仕事の方は、ようやく一段落しました。

>回廊の防水剤を兼ねた緑色の塗装に、砂を撒いて滑り止めにしてあります。
艦艇の浴室と同じ塗装ですね!
確かに掃除は大変です。
黄砂、鳥の糞、ディーゼル艦が近くにいると煙突のススなどなど…。
最終的には塗り直しちゃいますけどね(笑)

質問に対する回答は、コメント欄では長くなるため改めて記事を書こうかと思います。
引用・転載はしていただいて構いません(^^)

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艤装品の表現 その7 「艦艇の塗装」 

艤装品ではないですけど、適当なカテゴリーがないのでこちらでやります。
現在、艦船模型スペシャルで「自衛艦の塗装」が連載されていますが、その中で同型艦でも塗装に差異があったり、同じ艦でも塗り分けの仕方や戦闘通路のラインが度々変わったりすることに対しての疑問が呈されていました。
今回はそこに焦点を当てて、現場での塗装作業について書こうかと思います。
▼続きを読む

自衛艦の塗装には、大きく分けて業者によるものと乗員によるものがあります。
新造艦の場合は、ほとんどが業者(造船所)による塗装です。
この塗装にかかる工賃は建造費に計上されるため、予算低減のために必要最低限の塗装で済ますことが多々あるらしく、公試運転や就役時の写真を見ると戦闘通路が描かれていない艦艇が散見されます。
描かれている艦艇は、恐らく艤装員が塗っているのではないかと思いますが、艤装の経験がないので確証はありません。

さて、就役後の自衛艦についてはどうでしょうか。
年次修理や定期検査など、造船所に回航しての整備となると、また業者が絡んできます。
ただし、新造艦より予算が格段に少ないため、業者が塗装するのは船底や船体外鈑くらいのもので、残りの上甲板や構造物は乗員が塗装します。
また、中間修理や日常の手入れでは、全て乗員による塗装です。
この乗員による塗装、というところで差異が生じてくるのです。

塗装作業に関しては、よく掌帆長が〜とか親甲板が〜とか言われますが、ここにも少し誤解があります。
まず艦の偉容、美観保持の責任者は甲板士官です。
これは1分隊系の下級幹部(水雷士、砲術士など。補助艦は別)が当たります。
甲板士官の下には甲板海曹がいて、各分隊の作業を取りまとめます。
甲板海曹は、1分隊の上級海曹が指定されますが、掌帆長(運用員長)であることが多いです。
しかし、掌帆長が他の役職(先任伍長や分隊先任海曹など)に当たっている場合は、運用員の次席だったり水測員長だったりします。
そして、各分隊には分隊甲板海曹がいて、甲板海曹の指示を受けて実質的な塗装作業の指揮を執ります。
各分隊甲板海曹の元締めであることから、甲板海曹を親甲板と通称しています。
つまり、親甲板=掌帆長とは限らないのです。

さて、現場作業は、前述したとおり分隊甲板が仕切るわけですが、分隊甲板は2ヶ月交代の普通役員です。
長期の修理であれば、着工から完工までに3人くらい入れ替わりますし、普段の塗り直し作業でも、前回塗った時と同じ人が分隊甲板とはなりません。
そして、親甲板は各分隊の塗り分け方に口出しするほど暇ではありません。
と言うわけで、その時の分隊甲板の個性が発揮されて、塗装するたびに戦闘通路の白線や構造物の塗り分け方が変わるのです。
さらに、休暇期間に入ると、当直員が塗装作業に当たるわけですが、ここで申し継ぎに失敗するとか、作業長が不慣れで塗るペンキを間違えるとか言ったファクターも絡んできます。
「ゆうばり」では、艦橋ウイングの白線が左右非対称だった時期がありましたし、現役の某艦でも分隊甲板の勘違いで上甲板に外舷色を塗っていたこともありました。

また、別のパターンとして、転籍による塗り直しもあります。
地方隊ごとに塗り分けラインの解釈が違うためです。
例えば、格納庫の天蓋を構造物とみなして外舷色で塗るか、甲板面だからとデッキ色で塗るかといったところです。
格納庫内壁の塗装がマチマチなのも、ここら辺の事情によります。
また、大湊や舞鶴といった降雪地帯への転籍では、滑り止めのエリアが拡大しますし、ソマリア沖など酷暑海域への派遣では防暑塗料が塗られることもあります。

従って、模型を作る際、特に年代を設定しないのであれば、塗り分けパターンの細かい違いにそれほどこだわる必要はないと思います。
ひどい時には、1年の間に2、3回変更されたりしますし。
就役時とか第◯次ソマリア派遣時といったように、具体的な年月日を設定するときだけ、その時の塗り分けパターンをリサーチすれば良いのではないでしょうか。

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[2016.01.23(Sat) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(2) 見る▼
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塗装の負担 by メバル所長
模型の話はさて置いて・・・
艦艇の内側、各通路及び部屋も皆さんが塗っていると聞いております。そして、来賓が来ると艦内の塗装を塗りなすとも。
となると、新しい自衛艦ほど艦は大きくなるし乗員は減るわで、新造艦ほど乗員の塗装作業負担は大きいものになると思います。
偉いさんの見学も多い「いずも」なんて、塗装に関しては悲惨の一言ではないでしょうか?
逆に、吸音タイルが貼ってあり、艦内も狭い「そうりゅう」型潜水艦は楽ってことでしょうか?

新しい艦ほど大変 by 大和甲型
そうなんですよ。
船体は大型化するのに乗員は減る一方で、一人当たりの作業量は増加するばかりです。
「いずも」と言うかDDHは、なんだかんだで乗員も300人とか400人いますが、輸送艦とか補給艦あたりは8000tオーバーを100人あまりで整備しているので大変ではないかと思います。
潜水艦は、ほとんど業者なんじゃないでしょうか。
乗ったことないので分かりませんが(笑)

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艤装品の表現 その6「舷灯」  

航海灯を始めとする法定灯火の取り扱いは、航海科の所掌とする所である。
その立場から見て、多くの艦船模型の作例に違和感を覚える点があった。
左右舷灯台の隔板の塗色である。
第6回は、この舷灯台隔板の塗色について詳述する。
大和
(大和ミュージアム 1/10戦艦「大和」)
長門
(大和ミュージアム 1/100戦艦「長門」)

なお、今さら説明の要はないかも知れないが、航海灯とはマスト灯、右舷灯、左舷灯及び艦尾灯で構成される海上衝突予防法の規定する法定灯火である。
マスト灯及び艦尾灯は白色、右舷灯は緑色、左舷灯は紅色の灯火を使用する。
しばしば誤解されるが、航海灯は軍民を問わず使用する一般的な灯火であって、夜間の戦術運動に使用される信号灯火とは別物である。
従って、戦時下では灯火管制の対象となり、目標の動静判定に利用されることはない。
▼続きを読む

ここ数年、舷灯台を再現する作例が急速に増えた気がするが、前回の救命浮環と同じく色味のアクセントとして存在感が大きいからだろうと思う。
しかし、自衛艦を見学した方はご存知と思うが、舷灯台の隔板は紅緑の塗装ではなくツヤ消しの黒色である。
いずも
(護衛艦「いずも」)
そもそも、舷灯は舶用電球を収めた灯体のガラス面に着色がなされ、これが灯色を変化させている。
日向
(大和ミュージアム 戦艦「日向」舷灯ガラス部)
隔板の色で灯色を変化させている訳ではないのである。
従って、隔板が紅緑色である必要はなく、現在では自衛艦、巡視船、商船や外国軍艦も遮光のため隔板を黒色に塗っている。
さわゆき
(護衛艦「さわゆき」)
うらが
(掃海母艦「うらが」)

では、日本海軍艦艇についてはどうであろうか。
舷灯が写っている日本海軍艦艇の写真を調べてみたが、モノクロ写真では塗色を断定できなかった。
強いて言えば、舷灯台隔板と煙突頂部の黒色とを比較すると、確かに色調が違うようである。
雪風
(駆逐艦「雪風」 世界の艦船から引用)
僅かに残されたカラー映像では、残念ながら舷灯は確認できなかった。

現存する艦艇としては横須賀の記念艦「三笠」があるが、この舷灯台隔板は紅緑色に塗られている。
三笠
(記念艦「三笠」)
しかし、これは戦後に幾度となく塗り直されたものであり、保存会の方曰く、塗色は当時をイメージしたものに過ぎないとのことで、一次資料たり得ない。
なお、大河ドラマ用に建造された原寸大レプリカの「三笠」の隔板は黒色であったようだ。

さて、こうなると当時の色彩を知る手段は、海軍時代に描かれた絵画くらいである。
中でも進水絵はがきは、海軍お抱えの軍艦絵師の手により海軍公式の刊行物として製作されており、その資料的価値は高い。
という前提で調べてみたところ、巡洋艦「熊野」や駆逐艦「天津風」の進水絵はがきで、紅色(又は緑色)に塗られた舷灯台隔板を確認できた。
「不知火」や「島風」など、一部では隔板が黒く描かれているが、黒色塗装なのか影になっている表現なのかは判断しかねる。
海軍時代は、紅緑色に塗装していたと考えて良いだろう。

では、海上自衛隊ではどうだったか。
実は戦後すぐの頃は、日本海軍に倣い紅緑色に塗装されていた。
みねぐも
(護衛艦「みねぐも」 世界の艦船から引用)

これが、いつ頃から現在のような黒色塗装へと変わったかというと、昭和44年10月施行の「艦船等の塗粧及び着標に関する達」による。
同達では、「第4条 げん灯台隔板内側の塗色は、黒色(つや消し)とする」こと及び「附則3 げん灯台隔板の内側の塗色については、改正後の第4条の規定にかかわらず昭和45年1月16日までの間、なお従前の例によることができる(抜粋)」ことが謳われており、昭和44年以降の新造艦は黒色とし、遅くとも昭和45年までには既成艦も塗り直すよう指示されている。
かとり
(練習艦「かとり」 世界の艦船から引用)
しかし、これが現場に徹底されるまで実に8年を要しており、昭和52年の秋まで紅緑色塗装の舷灯台隔板が残っていたようである。
特に昭和45年以降に就役した潜水艦救難艦「ふしみ」、護衛艦「みくま」「あおくも」「はるな」「あきぐも」「ひえい」が紅緑色塗装であったり、黒色塗装で就役した「かとり」が昭和51年には紅緑色に塗り直していたりして、現場の状況が窺い知れる。
なお、最後まで紅緑色塗装のままだったのは、護衛艦「たかつき」である。
昭和53年以降は、全艦が黒色塗装に統一されている。

 <余談>
今回、これを調べるために「世界の艦船」創刊号から20年間分、約240冊のカラーページを全てチェックするという力技を発動した。
まぁ、最初の5年くらいは全ページ白黒印刷で、10年目くらいから巻頭2ページがカラー化された程度で、今のカラフルな構成からすると考えられない。
それだけカラー印刷が高価だった時代であり、その時代の自衛艦のカラー写真を探すということが如何に困難であるか、その上で長い歴史を持つ「世艦」の存在が如何に大きいかを思い知らされることとなった。

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[2015.09.22(Tue) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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艤装品の表現 その5「救命浮環」  

2015年09月14日 ()
海上自衛隊では、浮き輪のことを浮環(ふかん)と呼ぶ。
「救命浮環」とは、溺者救助用の浮き輪のことである。

艦船模型を作る上で、カラフルな救命浮環はグレー基調の船体にあって良いアクセントになるため、再現している作品も多い。
以前は自作するしかなかったが、最近はエッチングパーツのみならずキットパーツにモールドされていたりと、ぐっと身近な存在になってきた。
しかし、その塗色や付属品についてはまだ余り知られておらず、また、艦これのせいで誤ったイメージが定着しようとしている。
というわけで、第5回は救命浮環について掘り下げる。
▼続きを読む

浮環(日本海軍)(大和ミュージアム 1/10 戦艦大和)
雪風(駆逐艦「雪風」 世界の艦船から引用)
日本海軍では救命浮標と呼び、コルクを綿布で覆ったものに防水塗料が塗られていた。
塗色は、円周を8等分して白色と赤色に塗り分けている。(十字ラインではなく扇型)
艦これから入った人には、連装砲ちゃんでお馴染みだろうと思う。
防水塗料ということで、ツヤあり塗装だったと考えられる。
ただし、明治期は白一色だったようで、紅白塗装となったのは大正期からである。
切り替わった正確な時期は不明ながら、明治41年の「白い浮標」と明治45年(大正元年)の「紅白の浮標」の写真が確認できたので、明治42年〜44年の間であろうと推測される。
従って、戦艦三笠など日露戦役艦を作る場合は注意を要する。(明治期に建造された艦船も、大正以降は紅白塗装に統一)
また、連装砲ちゃんの「ぜかまし」がすっかり有名になってしまったが、実際には救命浮標に艦名表記はない。
現用艦に見られるような救命浮環番号もなく、紅白の塗色のみである。
装備方法は、構造物設置のものは3本爪のラックに引っ掛けるだけであるが、舷側装備のものは写真のようなカゴ状の遠隔投下装置に格納され、索を引くと遠隔操作で投入することがてきた。

浮環(海自現用)(護衛艦はまぎり)
現在の自衛艦が使用する救命浮環は、船舶救命設備規則(運輸省令)で「非常に見やすい色であること」「搭載する船舶の船名及び船籍港を表記すること」が謳われている。
色は「救命浮環用ペイント」というそのものズバリなペンキで塗られているが、これはSOLAS条約でも指定されているインターナショナルオレンジに類似した色である。(インターナショナルオレンジより若干赤みが弱い)
材質は、発泡ポリエチレンと思われる。
表記については上段に艦種、下段に艦名、左右に救命浮環番号が白字で記されている。
救命浮環番号は、艦上の高い所から順に、及び前から後ろへ順に振られているので、ほとんどの自衛艦は艦橋右舷が「1」である。
写真のものは、艦橋左舷であるため「2」が振られている。
救命浮環の左にあるのは「O旗(溺者発生を表す国際信号旗)」を付加したブイ、右にあるのは自己点火灯と言い、海面に落下すると自動的に点灯する救難信号灯である。
ブイと自己点火灯は、浮環の救命索に索で結ばれて1セットになっているが、その格納方法は各艦ごと、また装備場所ごとに異なる。

みねぐも浮環(護衛艦「みねぐも」 世界の艦船から引用)

(護衛艦あきづき(初代) 丸スペシャルから引用)
前述の船舶救命設備規則は昭和40年の施行であるため、それ以前に建造された自衛艦についてはこの限りではない。
従って、ピットロード社が鋭意製品化中の1次防艦や2次防初期の自衛艦の救命浮環を、橙色に塗るのは誤りである。
初期の自衛艦は、白地に細い赤ラインが十字状に入ったもので、上段に艦種、下段に艦名、右に錨マーク、左に救命浮環番号が黒字で表記されている。
救命浮環番号は装備甲板に関わらず艦首から順番に振っているようで、あきづき型では51番砲ブルワークに装備された救命浮環に「1」「2」「3」が記されている。
ただし、この救命浮環が使用されたのは昭和44年までで、それ以降は既成艦も新造艦も橙色のものが搭載されている。
この昭和44年と言えば、「海上自衛隊の使用する艦船等の塗粧及び着標に関する訓令(訓令第35号)」が改定され、かつ「艦船等の塗粧及び着標に関する達(達第55号)」が新たに施行された年であり、自衛艦の舷側から艦名標記が消えた年である。
しかし、同訓令にも達にも救命具に対する塗色指示はされておらず、直接の関係は確認できなかった。

浮環(米海軍現用)(駆逐艦マキャンベル)
おまけで、海外艦艇も一つ。
写真は米海軍のイージス駆逐艦の救命浮環である。
典型的なインターナショナルオレンジの浮環に十字状に反射材が貼られ、艦名と艦番号は黒字で標記されている。
同じ橙色とは言え、一見して自衛艦のものとは印象が異なる。
実は、世界的にはこっちのスタイルが一般的で、確認できただけでも、米、露、英、伊、スペイン、トルコ、ベルギー、中国の各海軍が採用している他、商船や客船、海上保安庁の巡視船もこの反射材付きの救命浮環を使用している。
ただし、前述の通り商船や巡視船では、上段に船名・下段に船籍港を表示しなければならない。

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[2015.09.14(Mon) 23:08] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(2) 見る▼
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COMMENT

ふ、深い! by メバル所長
暫らくぶりの更新、待っていました。
救命浮環、私のアンチョコ本ではコルク、カポックあるいはバルサを環状にかため、綿布で云々 との記載があり、海上自衛隊はまだそういうものを使っているのか、かえって値段が高いだろうに、と思っていました。
甲型さんの記事を読んで納得です。
それにしても、そこまで掘り下げるからモデラ―?
モデラ―だからそこまで掘り下げる?
のでしょうか。

まだまだ勉強不足で(;^_^A by 大和甲型
長らくお待たせしました(笑)
昔はコルクだったそうですが、今は民生品でも合成樹脂が主流のようですね。
軽くて硬すぎず柔らかすぎず、最適だと思います。

私の場合、現場を知ってるのが大きいと思います。
他の方の作例を見てると、実際はこうじゃないのに…!と思うことが多々あって、それを自分なりに分かりやすく紹介できたら良いなと。
たぶん、自分が艦艇勤務じゃなかったら、ここまで気にしてないでしょうね(笑)

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艤装品の表現 その3.5「軍艦旗と旗竿」(補足) 

前々回の「軍艦旗と旗竿」について、書き忘れた事項と新たに気付いた事項があるので、補足説明します。

 自衛艦旗の種類
一口に自衛艦旗と言っても、大きさや材質によって10種類以上もあり、使い方がそれぞれ決められています。
護衛艦(DE除く)や大型の補助艦が艦尾旗竿に掲揚している自衛艦旗は4幅(ヨハバ)と呼ばれ、その制式は縦1.72m×横2.457mです。
これをメインマストに移揚する際には、一回り小さな3幅(ミハバ)を使用し、制式は1.29m×1.843mになります。
DEや小型の補助艦は、艦尾旗竿に3幅を掲揚し、メインマストの場合には更に小さな2幅(フタハバ)を使用します。
同様に、ミサイル艇や掃海艇は艦尾に2幅、マストに1.5幅(イッテンゴハバ)を使用し、作業艇や内火艇等の装載艇は1.5幅ないし1幅(ヒトハバ)を艇尾に掲揚します。
それぞれの制式は、以下の通りです。
2幅:0.86m×1.229m
1.5幅:0.645m×0.921m
1幅:0.43m×0.614m

なお、1/700換算だと
4幅:2.46mm×3.51mm
3幅:1.84mm×2.63mm
2幅:1.23mm×1.76mm
1.5幅:0.92mm×1.32mm
1幅:0.61mm×0.88mm
となります。
一番大きな4幅でも、市販の軍艦旗デカールセットだと最小サイズの部類に入ります。
合戦準備を再現しようとすると、3幅や2幅が必要なので自作しなければなりません。
自衛艦旗って意外なほど小さいです。
艦首旗は、艦の大小に関係なく2幅のものが使用されます。
日本海軍の軍艦旗については、規格から違うので何とも言えません。
写真を見る限り、戦艦級の軍艦旗は、4幅の自衛艦旗より2倍近く大きいようです。
規格については軍艦雑記帳(下巻)に記載があり、1幅が0.45m×0.675とされ、1、1.5、2、3、6、8、10幅の8種類があったそうですが、どの艦艇がどの幅を使用していたかは不明であるとしています。
また、自衛艦旗では、材質により停泊用と航海用の2種類があります。
停泊用は、発色の鮮やかな綿生地で、停泊中の他、広報や儀式で使用されます。
絵画や写真で見る、いわゆる軍艦旗の色をしています。
航海用は、強度を重視したナイロン生地であり、全体的に黒ずんで見えます。艶もありません。
こちらは、主に訓練や実任務で使用しますが、沿岸に近付いた時点で停泊用に揚げ変えてしまうため、目にする機会は少ないでしょう。
逆に、一般の目に触れない事からボロボロになるまで使い倒す傾向にあるので、端部などはよく破れたり解れたりしています。
模型を航海中の想定で製作するのであれば、キットの自衛艦旗の上からウォッシング等で汚してやると雰囲気が出ると思います。
▼続きを読む

 軍艦旗と将旗の掲揚位置
「指揮官旗」の項で、自衛艦の場合は自衛艦旗が最上位であり、メインマストに艦旗と指揮官旗を併揚する場合、指揮官旗は艦旗の下方もしくは左方に掲揚すると書きました。
このメインマストとは、艦上のマストの中で最も高いものを指します。
一方、日本海軍において軍艦旗をマストに掲揚する場合、後部マストに掲揚します。
駆逐艦のように後部マストが低い場合であってもです。
そして、後部マスト中段(クロスツリー付近)に軍艦旗専用のヤードやガフ(斜桁)があり、軍艦旗はここに掲揚します。(一部例外があり、金剛型戦艦では第4主砲塔上の空中線支柱に掲揚している写真があります)
将旗は後部マストの先端、マストトップに掲揚しますので、軍艦旗よりも高所に翻ることになります。
自衛艦では、右舷側から見ると指揮官旗が自衛艦旗の影に隠れて視認しづらいことを考えると、日本海軍のように明確に掲揚位置を区別する方が実戦に即しているのかなと思います。
<27.4.15追記>
将旗については、後部マストではなくメインマスト(高い方のマスト)の頂部に掲揚するのが正しいようです。
従って、駆逐艦や一部の巡洋艦は、前部マストに将旗、後部マストに軍艦旗となります。
また、大正期には軍艦旗もメインマストに掲揚していたことが、就役時の天龍型・夕張型などで確認できます。

 空母の旗竿
飛行甲板上をクリアにする必要から、一般的に艦首旗竿は菊花紋章板付近、艦尾旗竿は短艇甲板後端に設けられています。
しかし、停泊中の「翔鶴」や「祥鳳」の写真では、飛行甲板後部に艦尾旗竿を立て、軍艦旗を掲揚していることが確認できます。(航海中は短艇甲板に移設)
短艇甲板にも旗竿が見られますが、飛行甲板上のものはこれより小型のようです。
「祥鳳」は、公試中も飛行甲板上に軍艦旗を揚げている一方で、同型の「瑞鳳」は停泊中も短艇甲板に掲揚しています。(飛行甲板上に旗竿のみ確認)
公試中の「千代田」も飛行甲板上に大型の旗竿を立て軍艦旗を掲揚していますが、こちらは短艇甲板に機銃座を設けたために艦尾旗竿が設置できなかったのかも知れません。
そうであれば、その他の空母も機銃増備後は、艦尾旗竿を移設した可能性があります。
大正期の建造である「鳳翔」は、艦首尾とも飛行甲板上に旗竿を設けており、第4艦隊事件後、飛行甲板短縮に伴い艦首旗竿を錨鎖甲板に移設したようです。(練習空母として飛行甲板延長後は、再び飛行甲板上に復帰)
艦尾旗竿は、終戦時まで飛行甲板上にあったようですが、航海中は短艇甲板に移設している事が確認できます。(公試中は飛行甲板上のまま)
また、エンクローズド・バウの「大鳳」の場合、艦首旗竿はどうなっていたのでしょうか。
タウイタウイ泊地に停泊中の有名な写真でも、旗竿は確認できません。(艦尾の旗竿も立てられていないようです)
ただし、5021号艦(改大鳳型)の一般配置図では、艦首旗竿と前部停泊灯らしきものが飛行甲板前端に描かれており、平時においては飛行甲板上に艦首旗を掲揚する予定だったのかも知れません。
三段甲板時の「加賀」も、飛行甲板上に艦首旗竿が確認できます。

 公試時の国旗掲揚
自衛艦の場合、公試時は引渡し前(民間造船所の所有物)であることから、自衛艦旗ではなく日章旗を掲げます。
就役時に自衛艦旗授与式が挙行され、初めて自衛艦旗が掲揚されるのです。
一方、日本海軍の場合は、官営の海軍工廠で建造された場合はもちろん、民間造船所で建造された艦艇についても公試中から軍艦旗を掲揚しています。
公式に軍艦籍に編入されるのは竣工・引き渡し後なのですが、偉容のためかも知れません。
ただし、公試中は国旗も軍艦旗も掲揚せず、国際信号旗のみを掲揚している写真も多数確認でき、どのような規定に基づいているのかは不明です。
余談ですが、公試中の国際信号は「Ans - A」のように見えます。(モノクロ写真のため、色が違うかも知れません)
現在、「Ans - A」は「潜水夫をおろしている」であり、公試中には「Ans - R U P1」(操縦の試運転をしている)を掲揚するのが通例となっています。

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[2015.04.14(Tue) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(18) 見る▼
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COMMENT

自衛艦旗 by メバル所長
そうですか、自衛艦旗に停泊用と航海用が有るとは、思ってもみませんでした。
演習時のデモステレ―ション?で、非常に大きな自衛艦旗をマストに揚げている写真をよく見ます。これは、各艦が個々の予算の中で自由に作って揚げているのでしょうか?
また、以前解説が有りました「長旗」ですが、自衛艦艇が来る度に探しています。しかし、良く分かりません。細いので、風で揚旗線に絡んでしまうとかあるのでしょうか?
時間が有りましたら、教えてください。

by 大和甲型
並べてみると一目瞭然ですよ!>停泊用と航海用
錨泊なら航海用を揚げてるかも知れませんね。

巨大艦旗は、個艦の予算で発注して保有してるパターンと、海外派遣や演習に際して造修補給所から借り受けているパターンがあります。
常用のものでないので記事内では省きましたが、確か12幅だったか制式も決まっていた筈です。

長旗は、よく揚旗線に絡み付いています(笑)
細く白いので、4000m以内まで近づかないと判別は難しいかも知れません。
ttp://sub707.blog.fc2.com/img/chch2702-12.jpg/
この写真の艦旗の真下、AnsとAnsの間に揚がっている、白いニョロニョロが長旗です。

「長旗」 by メバル所長
長旗、分かりました。教えて頂いて、写真を見直し、やっと分かりました。案の定、揚旗線に絡みついているようでした。上手く風になびけば、結構カッコイイと思うのですが残念です。
巨大艦旗も、納得しました。ありがとうございました。

by 大和甲型
マストの裏は風が巻くので、旗が絡まりやすいんですよね…。
気を抜くと自衛艦旗も巻き付いたりします(笑)
こんなブログでも、見ていただいて自衛艦への興味を深めていただけると嬉しいです(^^)

管理人のみ閲覧できます by -

巨大自衛艦旗 by 佐久間多聞
始めまして、宜しくお願いも仕上げます。

さきほど、管理人様のみの閲覧で投稿しましたので、同文を再投稿させていただきます。

米国海軍のバカでかい戦闘旗の映像はよく目にするのですが、なぜか私は、いままで自衛艦のマストに掲げられた自衛艦旗は、小さなものしか見たことがありません。某巨大サイトにもカキコいたしましたが、もし宜しければ、自衛艦のマストにひるがえっている「巨大自衛艦旗」の画像のありかなどを、教えていただきたく、お願い申し上げます。

何卒宜しくお願い申し上げます。

by 大和甲型
こちらでは初めまして!
某所で大層なお言葉をいただき恐縮の至りです(^^;
よろしくお願いしますm(_ _)m

ただいまパソコンに触れない場所にいるため、画像の在りかについてお答えする術がありません。
帰宅まで今しばらくお待ちください。
確かここ2、3年の海上自衛隊演習の公開写真に写っていたと思います。
海上自衛隊公式サイト、米海軍(又は第7艦隊)公式サイト及び「世界の艦船」各年1月号あたりに記事があったと記憶しております。

お手数をおかけして申し訳ございません by 佐久間多聞
早速のご丁寧なレスを賜り、有難うございました

自分でも検索したのですが、見つかったのは、ソマリアへ出航する際の「はまぎり」:
ttp://hygeta.hateblo.jp/entry/20130407/1365336313
ぐらいでした。公式ページを含めて見つけたマストの自衛艦旗は、将官旗がみえるようにか、みな小さなものばかりでした。

この出港時のはまぎりも、すぐに小さな自衛艦旗に揚げ代えたようで、最初から用意されていたようです。ソマリアへは準戦時海域なのでしょうか、出港時から「合戦準備」がかかっていたみたいですね。こんな画像は、最初にソマリアに派遣した時には、マスコミなど報道では、少なくとも出港時には、どこにも見当たらなかった(マストの自衛艦旗にも気が付かなかった)のですが、第15次隊ともなると、身内以外には誰も関心がなくなって、こんなお茶目をしているのでしょうか?

本当に、軍艦旗は奥深いようです。

私は、世界の艦船などは、よほど記事に興味がない限り立ち読みですませていましたので、1月号などを買っていたのか探してみます。もしも買っていても、整理など全くしていませんので、出てくるかどうか自信がありません。昔は、仕事場の宿直室のマンガの山の中から、自分で当直の時に買っておいた目当ての雑誌を探し当てたこともありました。

今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。有難うございました。

ようやく帰ってきました by 大和甲型
お待たせしました。
「海上自衛隊演習」でググったら、早速1枚ヒットしました。
ttp://japanese.china.org.cn/politics/txt/2011-01/13/content_21730546.htm
色々なワードを試してみる事をお勧めします。
また、世界の艦船は古本屋や図書館などでバックナンバーを手にする事が出来ます。
某質問掲示板の皆様は、膨大な労力と時間、コストを費やして資料を収集し、あれだけの知識を得ている訳です。
自分は整理できないと開き直らずに、これを機会に手持ちの資料を整理してみてはいかがでしょうか。

>ソマリアへは準戦時海域なのでしょうか
この場合の巨大艦旗は、パフォーマンスのようなもので法的な意味はありません。
写真では写っていませんが、艦尾旗竿に正規の自衛艦旗が掲揚されています。
メインマストに3幅の艦旗が移揚されたのが、教練合戦準備が下令されたタイミングです。
マスコミへの露出については、この手のパフォーマンスは艦ごとに独自にやっているだけなので、たまたま報道されてこなかっただけだと思います。
なお、「はまぎり」は13次隊(「まきなみ」「ゆうぎり」)出港の時も見送りに巨大艦旗を揚げていました(笑)
海外派遣に限らず、術科競技(護衛艦同士で技量を競う訓練)などでも士気高揚のために巨大艦旗を使いますが、こちらの写真はあまり公表されていないかも知れません。

お久しぶりです by 宮ちゃん
管理人どの、お久しぶりです。
(このHNだけで多分分かると思いますが・・・)

先日は素晴らしい朗報の葉書、ありがとうございました。
久しぶりに古い艦スペに掲載されていた貴殿作品と、貴殿が就職、配属当時の集合写真年賀状を引っ張り出して懐かしく思っております。

私も相変わらず貧乏暇無しの人生。ミリタリー関連模型も相変わらずです。なかなか作れてませんが。

甲型海軍工廠さまブログ内 常連の皆々様、初めまして。
「宮ちゃん」と申す四十路間際のへっぽこモデラーです。
どうぞよろしくお願いいたします。

自衛艦旗については某Ans.Qコーナーで先日議題になっていたのを拝読したところです。

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艤装品の表現 その4「張り線」 

今回は張り線である。
艦船模型のマストや構造物に展張する線を張り線と呼び、伸ばしランナーや釣糸、ほぐしたストッキングの糸などが主に用いられる。
最近では、メタルリギングという専用の金属線まで発売されている。
模型上では一律に張り線と呼ばれるこれらの線も、実艦では用途も材質も様々である。
これらを作り分けることで、作品の持つ情報量もグッと増すと思う。
▼続きを読む

 揚旗線
信号旗や旗章を掲揚するためのロープである。
日本海軍艦艇においては、旗甲板から艦橋ヤードに向けて伸びている数条のロープであり、恐らく麻索と思われるので塗色は茶色~黄土色が適当であろう。
メインマストから後部上構に張られているのは、軍艦旗や指揮官旗を掲揚するための揚旗線である。(ただし、中にはメインマストのクロスツリーに信号旗を掲揚している写真も確認できる)
現用の自衛艦では、マストから旗甲板(艦橋後部)に伸びているのがそれであり、化繊索(ナイロン索)なので塗色は白である。
揚旗線は洋上でも目立つので、ぜひとも再現したい。

 空中線
無線用のアンテナであり、ビニル被膜付きの電線である。
塗色は黒が適当。
使用周波数によりアンテナ長が異なり、それに応じた数の空中線が展張されている。
日本海軍艦艇では、艦首から艦橋ヤード、メインマストを経由して艦尾まで伸びる長波アンテナがあり、そこから更に艦橋や煙突に向けて中波や短波アンテナが多数展張されている事が多い。
自衛艦においては、ホイップアンテナやタブレットアンテナ等のロッド式空中線が普及したため、ケーブル式空中線は4~6線のみである。
メインマストから艦橋や煙突に向けて展張されている。
空中線は電線であって、送受信時には通電されるものであるから、構造物に直接固定はできない。
そのため、端部は絶縁体である碍子を介して構造物と接続されている。
この碍子は、日本海軍時代のものを見た事はないが、模型やイラスト等では白く塗られている事が多い。
一方で、自衛艦については暗めのレッドブラウン(ハルレッドが近い)の碍子が使われている。
空中線は、黒いせいもあってか洋上では比較的視認しづらく、1/700では省略しても差し支えないように思う。
1/350等の大型模型であれば、もちろん再現した方が見映えが良く、碍子の塗色にも拘ってみると見る人をニヤリとさせられる。

 満艦飾
満艦飾とは、祝日等に艦首から艦尾まで信号旗を連揚し、マストに自衛艦旗を揚げて艦を装飾する事である。
自衛艦の場合、メインマスト直下にワイヤー(鋼線)を収めたリールがあり、ヤードに吊架した滑車を介して鋼線を前後部の旗竿へと展張する。
滑車の位置は、ワイヤーがアンテナや構造物と干渉しないように各艦型ごとに異なり、前部ラインを右舷ヤード・後部ラインを左舷ヤードに振り分けたり、前後部ラインを同一舷で展張したりと様々である。
鋼線には無数のフックが付いており、これに信号旗を吊るしていく。
艦船模型スペシャルで「吊るす順番は適当」などと書いていたが、とんでもない。大嘘である。
満艦飾の型式は、海上自衛隊旗章細則で明確に定められており、世界の艦船や軍艦雑記帳などで確認できる。
信号旗の最初の1旗には、引き揚げ索と呼ばれるナイロンロープが結ばれており、引き揚げ索もヤード下の滑車を介してマスト直下まで展張されている。
満艦飾当日、自衛艦旗掲揚と共に引き揚げ索を手繰れば、ワイヤーに沿って信号旗がマストまで揚がっていく訳である。
従って、模型で再現する場合には、黒鉄色ないしガンメタルの張り線とフラットホワイトの張り線の2本を展張し、フラットホワイトの張り線に信号旗を接着していけばリアルに仕上がると思う。
日本海軍艦艇は、現物を見たことないので割愛する。

 各種控え索
重量物を吊り上げる際に、動揺によって重量物が振れ回るのを防ぐのが控え索である。
例えば、クレーンで水上標的や弾薬を揚降する場合や、洋上補給(洋上移送)でドライカーゴを受給する場合などに使用する。
ただし、ほとんどの重量物は格納されているので、普段目にするのは装載艇(内火艇や作業艇)の控え索である。
ダビット上の装載艇の艇首ないし艇尾から母艦の上甲板外縁に伸びている索がそれで、揚降中の振れ止め及び降下後の係留に用いられる。
日本海軍艦艇ではマニラ索と思われるので、索の色は茶色~黄土色(退色表現ならタンやバフ)が適当であろう。
自衛艦ではナイロン索を用いるので、白色で良いと思う。
グレーの船体に白が良いアクセントになる。
なお、自衛艦の係留索もナイロン索を使用するが、これは軽くて取扱いが楽なだけでなく、水面に浮く(海面下に沈み込まない)のでスクリューに捲き込みにくいという利点がある。
日本海軍艦艇(特に木甲板)では余り目立たないので、再現するか迷うところ…。

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[2015.03.28(Sat) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(0) 見る▼
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艤装品の表現 その3「軍艦旗と旗竿」 

2015年03月17日 ()
前回の指揮官旗と関連して、軍艦旗(自衛艦旗)についても詳述します。

軍艦旗は、艦船の置かれた状況によって掲揚位置が変わります。
つまり、模型においては、掲揚位置を変えることで艦に表情をつけることができます。
ただ説明書通りに揚げるのではなく、艦船がどんな状態にあるのかをイメージしてやると表現の幅が広がると思います。
▼続きを読む

日本海軍の細かい規則は寡聞にして存じませんので、海上自衛隊における自衛艦旗及び国旗の掲揚法をメインにして記述します。
聞き及ぶ範囲では、軍艦旗の掲揚法については日本海軍時代から大きくは変わっていないようなので、そのまま自衛艦旗を軍艦旗に読み替えて頂いて結構かと思います。

 自衛艦旗(旭日旗)
海自では略して「艦旗」と呼んでいるが、海軍時代は不明。
停泊中は、0800i~日没まで艦尾旗竿に掲揚する。
修理中、旗竿や後部甲板が整備のため使用不能の場合に、一時的にメインマストに揚げることがあるが、稀である。
航海中は、艦尾旗竿に常時掲揚する。
ただし、訓練作業(後部クレーン作業やヘリ発着艦)等で艦尾旗竿を倒す場合や、戦闘中はメインマストに掲揚する。
戦闘中とは準備の段階を含むため、合戦準備の下令をもって揚げ変える。
また、防衛出動や海上警備行動等が下令されている間は、航泊に関係なく常時掲揚する。

 国旗(日章旗)
海自では「艦首旗」と呼ぶが、海軍時代は不明。
停泊中は、0800i~日没まで艦首旗竿に掲揚する。
航海中は掲揚しないが、就役前の海上公試においては自衛艦旗が授与されていないため、艦尾旗竿に掲揚する。
支援船においては、自衛艦旗に代えて掲揚し、掲揚法は自衛艦旗に準ずる。

 旗竿
頂部に滑車を備えて揚旗線(ロープ)が張られており、旗章を掲揚降下できる3脚式の旗竿である。
艦首及び艦尾の中心線上に装備されるが、搭載機器との関係で片舷にずらして装備(補助艦に多い)することがある。
2本の支柱は、甲板(又はフェアリーダ)にボルトで仮止めされており、これを外すことで旗竿を倒すことができる。
出港後、艦首旗竿は甲板片付けと同時に倒してしまうことが多く、艦尾旗竿についても艦旗をマストに揚げ変える際に倒すのが一般的である。
日本海軍では、旗竿が空中線支柱を兼ねている場合と空中線支柱に旗竿が固定されている場合があり、注意を要する。
戦闘中や射撃訓練中の写真で、倒している旗竿が確認できるものもある。(覚えている範囲では、条約以前の戦艦や重巡は起倒式だったはず。軽巡、駆逐艦は未確認)

こんなところでしょうか。
他に艦飾とか半旗もあるんですが、それはまた後日…。
ということで、旗章の状態としては主に以下の6パターンが考えられます。

・何も掲揚しない→停泊中の夜間
・艦尾に国旗のみ→支援船、就役前の艦艇
・艦尾に自衛艦旗のみ→通常航海中
・マストに自衛艦旗のみ→航海中であり、戦闘(合戦準備)や発着艦等作業中
・艦首に国旗、艦尾に自衛艦旗→通常の停泊中の昼間
・艦首に国旗、マストに自衛艦旗→合戦準備中である停泊中の昼間

自衛艦では、前述したように使わない旗竿は倒してしまうので、艦旗をマストに揚げた状態で製作する場合、艦首尾の旗竿は省略してしまって良いでしょう。
艦首旗を揚げるのは停泊中に限られますので、ジオラマでなくても舷梯を降ろしたり、装載艇の一部を載せない等すると雰囲気が出ると思います。
逆に、航海中のジオラマなのに艦首旗が揚がっていると、一気に嘘くさくなってしまいます。

ただし、軍艦旗の掲揚法に国際的な取り決めはなく、国旗を軍艦旗として使用している国(アメリカとか)もありますし、戦闘中にマストに揚げたり艦首に国旗を揚げたりと言うのも、各国ごとに異なります。
本記事は、あくまで日本国内の話です。

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[2015.03.17(Tue) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(2) 見る▼
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COMMENT

これを読んでから by メバル所長
「あすか」を観測すれば良かった。
でも、時間が夜中の23時59分では遅いか。
海自ネタ、楽しみにしています。
そして、「みらい」中破?飲みすぎない様に

by 大和甲型
更新時間が2359になってる記事って、日付変わってから投稿したヤツなんですよね、実は!
錨泊は、ご存知の通り錨が海底に接した時点で艦首旗が揚がります。

「みらい」は何とか復旧しました!
お騒がせしました(笑)

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