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ゆきなみ型護衛艦と戦域ミサイル防衛 その5 

 個艦防御
ブースト・フェイズの弾道ミサイルを迎撃し、或いは策源地攻撃を行う場合、ゆきなみ型は対象国沿岸に入域する蓋然性が高い。
しかし、平時の大規模な艦隊派遣は現実的でなく、従って対象国勢力圏下で経空、水中及び水上の複合脅威に単艦で対処し得る能力が要求された。
また、装備の作動不良や機器故障などの危急の事態にあっても僚艦の支援が望めないことから、複数の代替手段を備えなければならない。

注)ゆきなみ型護衛艦のTMD任務は専守防衛の範疇で行われるが、弾道ミサイル関連施設への先制攻撃が専守防衛に含まれるとする法解釈が存在する以上、同艦は平時において対象国に対し戦闘力を行使する可能性を否定できない。ただし、対象国領空での弾道ミサイル撃墜ないし策源地攻撃は戦争行為以外のなにものでもなく、同艦は阻止或いは報復を企図する対象国軍によるあらゆる脅威を想定するべきである。


 対空武器
最も危惧される経空脅威に対しては、本来であればイージス武器システムをフル活用しSM-2 SAMによって迎撃すべきであるが、弾道弾対処中はイージス武器システムが弾道ミサイルの追尾とSM-2ER BlockIV Aの射撃管制に全リソースを専従させてしまうため、AAW(対空戦闘)に割く余力がない。
このため、ゆきなみ型はイージス武器システムとは独立したCDSを備え、砲用を兼ねる方位盤FCS-2-31により短SAMを管制して最低限のASMD能力を保持している。
これはまた、万が一、イージス武器システムに故障や不具合が生じた場合に防御手段を喪失しないための処置でもある。
捜索センサーは、早期警戒ヘリと水上レーダーであり、OPS-28 水上レーダーはシースキマー(低空進攻SSM)に対して高い探知能力を有している。
ただし、FCSが1基しかないため、一度に対処できるのは1目標であり、極めて応急的な装備である。
また、限られた艦内容積と電力量の中で補助システムとして大型のCDSを装備する事は適当でなく、はやぶさ型ミサイル艇用に開発された小型CDS、OYQ-8Cに短SAMシステムを連接したOYQ-8Dを搭載している。
イージス武器システムがAAWに充当できる場合は同時多目標対処が可能とされるが、INSを持たないシースパロー RIM-7Pでは最大3目標しか対処できない。
将来的にESSM RIM-162が導入されれば、イージス武器システムの全能発揮が可能となる。
さらに、ESSMはMk.41 VLSのクァッドパック(1セルに4発搭載)に対応しているため、装弾数の増加も期待できる。

注)
CDS…戦闘指揮システム(Combat Direction System)。センサー(レーダー、ESM等)、火器管制装置、兵装(砲/発射機)を統制して攻撃を効率化する、戦術情報処理/意思決定支援装置の総称
ASMD…対艦ミサイル防御(Anti Surface Missile Defense)。上記のように物理的に破壊するハードキルと電子的に無能化するソフトキルがある。なお、「アズムド」と読む。
INS…慣性航法装置(Inertial Navigation System)。従来のセミアクティブレーダー誘導SAMは発射から命中まで射撃レーダーの常時照射を必要としたが、SM-2やESSM等はINSによってミサイルが自律制御で概略位置まで飛行するため、射撃レーダーの照射は命中直前のみで良くなった。従って、射撃レーダーがミサイルに拘束されなくなり、多数のSAMを同時に発射管制できる。
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[2014.10.26(Sun) 23:33] ゆきなみ型護衛艦Trackback(0) | Comments(0)
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