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艤装品の表現 その7 「艦艇の塗装」 

艤装品ではないですけど、適当なカテゴリーがないのでこちらでやります。
現在、艦船模型スペシャルで「自衛艦の塗装」が連載されていますが、その中で同型艦でも塗装に差異があったり、同じ艦でも塗り分けの仕方や戦闘通路のラインが度々変わったりすることに対しての疑問が呈されていました。
今回はそこに焦点を当てて、現場での塗装作業について書こうかと思います。

自衛艦の塗装には、大きく分けて業者によるものと乗員によるものがあります。
新造艦の場合は、ほとんどが業者(造船所)による塗装です。
この塗装にかかる工賃は建造費に計上されるため、予算低減のために必要最低限の塗装で済ますことが多々あるらしく、公試運転や就役時の写真を見ると戦闘通路が描かれていない艦艇が散見されます。
描かれている艦艇は、恐らく艤装員が塗っているのではないかと思いますが、艤装の経験がないので確証はありません。

さて、就役後の自衛艦についてはどうでしょうか。
年次修理や定期検査など、造船所に回航しての整備となると、また業者が絡んできます。
ただし、新造艦より予算が格段に少ないため、業者が塗装するのは船底や船体外鈑くらいのもので、残りの上甲板や構造物は乗員が塗装します。
また、中間修理や日常の手入れでは、全て乗員による塗装です。
この乗員による塗装、というところで差異が生じてくるのです。

塗装作業に関しては、よく掌帆長が〜とか親甲板が〜とか言われますが、ここにも少し誤解があります。
まず艦の偉容、美観保持の責任者は甲板士官です。
これは1分隊系の下級幹部(水雷士、砲術士など。補助艦は別)が当たります。
甲板士官の下には甲板海曹がいて、各分隊の作業を取りまとめます。
甲板海曹は、1分隊の上級海曹が指定されますが、掌帆長(運用員長)であることが多いです。
しかし、掌帆長が他の役職(先任伍長や分隊先任海曹など)に当たっている場合は、運用員の次席だったり水測員長だったりします。
そして、各分隊には分隊甲板海曹がいて、甲板海曹の指示を受けて実質的な塗装作業の指揮を執ります。
各分隊甲板海曹の元締めであることから、甲板海曹を親甲板と通称しています。
つまり、親甲板=掌帆長とは限らないのです。

さて、現場作業は、前述したとおり分隊甲板が仕切るわけですが、分隊甲板は2ヶ月交代の普通役員です。
長期の修理であれば、着工から完工までに3人くらい入れ替わりますし、普段の塗り直し作業でも、前回塗った時と同じ人が分隊甲板とはなりません。
そして、親甲板は各分隊の塗り分け方に口出しするほど暇ではありません。
と言うわけで、その時の分隊甲板の個性が発揮されて、塗装するたびに戦闘通路の白線や構造物の塗り分け方が変わるのです。
さらに、休暇期間に入ると、当直員が塗装作業に当たるわけですが、ここで申し継ぎに失敗するとか、作業長が不慣れで塗るペンキを間違えるとか言ったファクターも絡んできます。
「ゆうばり」では、艦橋ウイングの白線が左右非対称だった時期がありましたし、現役の某艦でも分隊甲板の勘違いで上甲板に外舷色を塗っていたこともありました。

また、別のパターンとして、転籍による塗り直しもあります。
地方隊ごとに塗り分けラインの解釈が違うためです。
例えば、格納庫の天蓋を構造物とみなして外舷色で塗るか、甲板面だからとデッキ色で塗るかといったところです。
格納庫内壁の塗装がマチマチなのも、ここら辺の事情によります。
また、大湊や舞鶴といった降雪地帯への転籍では、滑り止めのエリアが拡大しますし、ソマリア沖など酷暑海域への派遣では防暑塗料が塗られることもあります。

従って、模型を作る際、特に年代を設定しないのであれば、塗り分けパターンの細かい違いにそれほどこだわる必要はないと思います。
ひどい時には、1年の間に2、3回変更されたりしますし。
就役時とか第◯次ソマリア派遣時といったように、具体的な年月日を設定するときだけ、その時の塗り分けパターンをリサーチすれば良いのではないでしょうか。
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[2016.01.23(Sat) 23:59] 艤装品の表現Trackback(0) | Comments(2)
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COMMENT

塗装の負担 by メバル所長
模型の話はさて置いて・・・
艦艇の内側、各通路及び部屋も皆さんが塗っていると聞いております。そして、来賓が来ると艦内の塗装を塗りなすとも。
となると、新しい自衛艦ほど艦は大きくなるし乗員は減るわで、新造艦ほど乗員の塗装作業負担は大きいものになると思います。
偉いさんの見学も多い「いずも」なんて、塗装に関しては悲惨の一言ではないでしょうか?
逆に、吸音タイルが貼ってあり、艦内も狭い「そうりゅう」型潜水艦は楽ってことでしょうか?

新しい艦ほど大変 by 大和甲型
そうなんですよ。
船体は大型化するのに乗員は減る一方で、一人当たりの作業量は増加するばかりです。
「いずも」と言うかDDHは、なんだかんだで乗員も300人とか400人いますが、輸送艦とか補給艦あたりは8000tオーバーを100人あまりで整備しているので大変ではないかと思います。
潜水艦は、ほとんど業者なんじゃないでしょうか。
乗ったことないので分かりませんが(笑)

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模型の話はさて置いて・・・
艦艇の内側、各通路及び部屋も皆さんが塗っていると聞いております。そして、来賓が来ると艦内の塗装を塗りなすとも。
となると、新しい自衛艦ほど艦は大きくなるし乗員は減るわで、新造艦ほど乗員の塗装作業負担は大きいものになると思います。
偉いさんの見学も多い「いずも」なんて、塗装に関しては悲惨の一言ではないでしょうか?
逆に、吸音タイルが貼ってあり、艦内も狭い「そうりゅう」型潜水艦は楽ってことでしょうか?
[ 2016.01.24(Sun) 16:45] URL | メバル所長 #- | EDIT |

そうなんですよ。
船体は大型化するのに乗員は減る一方で、一人当たりの作業量は増加するばかりです。
「いずも」と言うかDDHは、なんだかんだで乗員も300人とか400人いますが、輸送艦とか補給艦あたりは8000tオーバーを100人あまりで整備しているので大変ではないかと思います。
潜水艦は、ほとんど業者なんじゃないでしょうか。
乗ったことないので分かりませんが(笑)
[ 2016.01.25(Mon) 18:55] URL | 大和甲型 #NKwY6NnY | EDIT |

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